iOSアプリの開発に挑戦したくても、使用しているパソコンがWindowsで諦めている方もいると思います。XcodeはWindowsで利用できないといわれていますが、実際どうなのでしょう。
この記事では、windowsでXcodeを使用できるのかどうか、WindowsでiOSアプリを開発する方法などを解説してきます。
Xcodeとは?
Xcodeとは、Apple社が開発・リリースしているアプリ開発のソフトウェアです。iPhoneやMa、iPad向けのアプリ開発に特化しており、デスクトップアプリやスマホアプリを制作する際には必須ともいえるほどメジャーな開発ツールです。
ファイルの管理からコンパイルやビルド、実機検証やデバッグまで、アプリ開発の全てをサポートしているため、統合開発環境とも呼ばれています。
XcodeはApp Storeから無料でダウンロードできるので、Macさえあれば誰でも開発をはじめることができます。
Xcodeの特徴
統合開発環境と呼ばれている通り、Xcodeには開発にかかわるいくつものツールが含まれています。
代表的なものには、アプリのインターフェースを作成するGUIツール、インターフェイスビルダーです。ボタンやテキストなどの要素を、マウスを使ってドラッグ&ドロップして配置することができ、配置した要素に伴って、必要なコードやクラスも自動で追加してくれます。Xcodeには、こういった役に立つツールもたくさん含まれています。
Xcodeでつくれるもの
Xcodeは、iOSやMacOSで動作するアプリを制作するものです。前述した通り、XcodeがなければiPhoneアプリはつくれません。
App Storeには150万を超えるアプリが登録されており、その全てが、Xcodeでつくられていると考えてもいいのではないでしょうか。iPhoneやMac向けのアプリを制作するなら、Xcodeはまさに必須ツールなので、習得しておきたい開発ツールになります。
XcodeはWindowsで使用できる?
アプリの開発にチャレンジしたいけれど、利用しているパソコンがWindowsで諦めている人もいるのではないでしょうか。基本的にWindowsのパソコンでXcodeは使用できません。Xcode自体はMacOSの環境で使用することが推奨されており、基本的にWIndowsのパソコンでXcodeは利用できないのです。
ただしWindowsのパソコンの中にMacOSの環境をつくることができればXcodeをダウンロードしインストールすることができます。しかし今はわざわざXcodeを導入しなくても、他のソフトを利用し、WindowsのパソコンでiOSアプリを開発することが可能です。
WindowsのパソコンでiOSアプリの開発が可能となっているソフトを3つ詳しく紹介します。
Windowsでアプリ開発できるソフト
特定の開発ソフトを導入すれば、WIndowsのパソコンでもiOSアプリを開発することはできます。こちらの記事ではXcodeはWindowsで使用できるのか、またiOSアプリ開発できるソフトについて詳しく紹介します。
・Xamarin Live Player
「Xamarin Live Player」は2017年に発表された、Microsoftが提供する統合開発環境のVisualstudio内に埋め込まれている機能です。
これまでにあった開発ソフトと違い、Xamarin Live Playerを利用すればMacのパソコンではなくても、iOSアプリの開発や導入、テストやデバッグの作業を途中までは行えます。
またこのソフトであれば、パソコン上で編集した内容をすぐにiPadやiPhoneといったデバイスで確認することができまするので便利です。
・Visual Studio Express 2013
「Visual Studio Express 2013」はMicrosoftが提供する統合開発環境のVisualstudio内にある、無料で導入することができる開発ソフトです。
こちらのソフトでiOSアプリを開発するためには環境を整える必要があり、Visual Studio 2013 Update2を適用させ、アドインであるMulti Device Hyblid Appsのインストールが必要です。
・Eclipse
「Eclipse」はIBMが開発した統合開発環境です。こちらの統合開発環境でiOSアプリを開発する場合、開発環境を整えるために機能を追加しても、通常使用することが多い、Objective-CやSwiftといったプログラミング言語は利用できません。
iOSのアプリ開発にはMacがおすすめ
Xcode以外のツールを使えばWindowsでもiOSのアプリを開発できるのが分かりましたが、一番使用しやすいXamarinでも、途中までしか作れません。
理由としては、WindowsのパソコンではiOSアプリのコンパイルを含めたビルドができないためです。Xamarinを使えば、MacなしでiOSアプリのコードは書けますが、動く形にはできません。であれば、最初からMacのパソコンでコードを書いた方が効率的です。
Windowsを使用する場合、少なくとも既存の開発ツールを使用するだけではMacは必要になるので、どんなアプリを開発するにしても、Macのパソコンを用意するしかないでしょう。またゲームアプリ以外ではクロスプラットフォーム開発はあまり推奨されておらず、Xcodeで開発することをおすすめします。
もしゲームアプリを単体で開発する場合であれば、Unityというツールがおすすめです。Unityは、オブジェクトの配置や簡単な動きの設定ならUI操作だけで作りこめるので、ゲームアプリ開発では王道のツールです。
また、Unityはクロスプラットフォームに対応しています。iOSとAndroidの両方に対応するゲームアプリを開発できるので、その点でも利便性が高いツールといえます。Unityはクロスプラットフォームに対応しているから使用するというよりは、たとえばiOS、Androidのゲームアプリを単体で開発する場合にも利便性の高いツールです。
SwiftがWindowsのサポートを開始
SwiftはWindowsでもSwift言語を用いた開発を可能にする「ツールチェーン」を、最新バージョンでリリースしました。
これにより、Mac版・Linux版のみの使用が可能だったSwiftが、Windows版アプリケーションでも開発が可能となりました。
Swiftとは?
Swiftは、iPhoneやiPad、MacなどのApple製品向けのアプリ開発が可能なプログラミング言語です。Apple社が2014年に発表し、Macと開発環境が整えば気軽に取り組むことができるため、プログラミング初心者でも利用しやすいといわれています。初心者が取り組みやすいのは、以下の5つの特徴があるためです。
・高速なパフォーマンスが可能
Swiftはプログラムの高速な処理を可能としている言語です。 Swiftのプログラム実行速度は、既存の類似したシステムである、Objective-Cより最大2.6倍、Python 2.7よりも最大8.4倍の速さです。アプリが軽快に動作するため、開発時の確認作業もスムーズにできます。また使いやすさという点からも優れた特徴といえます。
・安定性が高く不具合やバグが起こりにくい
Swiftは安定性が高く、エラーやバグやが起こりにくいのも特徴です。コンパイルを必要としないインタプリタ言語の場合、開発者自身が、不具合を起こしそうなコードを自力で探す必要があります。そのためエラーやバグを見つけるには、開発者に一定のスキルが求められ、時間もかかります。
しかしSwiftはコンパイル言語のため、バグの原因となるコードを、」コンパイル時に自動で見つけ出してくれます。これにより、バグや不具合を最小限に抑えることができます。
・Swiftはモダンなプログラミング言語
Swiftはコードがシンプルで、読み書きがしやすいモダン言語です。多くのコードを記述する必要のあるプログラマーにとって、大きなメリットです。
Swiftは、それまで使用されていたObjective-Cに代わる言語として、新しく開発されました。Objective-Cは文法が非常に難しく、これまではアプリを作りたいと思っても簡単に取り組むことができませんでした。そのObjective-Cのデメリットを改善したのがSwiftです。
Swiftの登場により、iPhoneやMacのアプリ開発のハードルが一気に下がり、プログラミング初心者でも、簡単にiPhoneなどのアプリを作ることができるようになりました。
・Objective-Cとの互換性がある
Swiftは、Objective-Cとの互換性があります。同じアプリの中にSwiftとObjective-Cが存在しても問題ないため、アプリ開発の途中から言語を切り替えることも可能です。
もともと使っていたObjective-CをSwiftに書き換える必要がなく、スムーズに新しい言語を取り入れることができます。またObjective-CのライブラリをそのままSwiftで使用できるため、それまでの作り上げたものを活かしつつ開発を続けることができるのです。
・開発にはXcodeを使用する
Swiftでの開発には、Apple社が提供しているアプリ開発のための統合開発環境Xcodeを使用します。開発に必要な機能がそろっているため、Xcodeだけでアプリ開発に取り組むことが可能です。
XcodeはApp Storeで無料配布されており、インストールすればすぐに使用できます。プログラミング初心者にとって、この手軽さはSwiftの大きな魅力といえるでしょう。
Swiftは、Apple社製品共通の新しいプログラミング言語です。現在iOSやmacOSアプリ開発の現場では、Swiftが主流となっています。
Swiftは処理速度が高速で、安定性に優れ、シンプルでバグの少ない言語なので、上級者だけではなく、初心者にも使いやすいシステムです。
まとめ
今回の記事では、WIndowsのパソコンでXcodeは利用できないことが分かりました。しかし、iOSアプリを開発するとなると、Macのパソコンが必ず必要だと思っている人も多いですが、実はそうではなく、環境が揃っていればWindowsのパソコンでも開発をすることはできることも分かりました。
ただし、初心者の方はMacを購入してiOSアプリの開発に挑戦するのが無難といえるでしょう。自分に合った方法で、独自のアプリ制作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。