【主要なPHPフレームワーク14選】システム開発におけるPHPフレームワークとは?メリットデメリットも!|初心者入門編

PHPフレームワークを活用することによって、効率よくシステム開発ができるだけではなく、システムのメンテナンスやアップデートの際にもPHPフレームワークを使う事によりコードの可読性が高まり複数の開発時の担当者以外の開発者でも管理、運用がしやすくなります。本記事では、システム開発におけるPHPフレームワークについて、主要なPHP フレームワークを中心に、メリットデメリット等を解説致します。

PHPフレームワークとは

PHPとは、サーバー側でコードを実行し、動的にwebページを生成可能なスクリプト言語のことで、HTMLに組み込み使用することが可能です。

フレームワークとは、システム開発を効率化する機能群のことで、プログラムの土台及び雛型を用意してくれるため、短いコードでも機能及びデザインの作成が可能です。

PHPフレームワークは上記のPHP及びフレームワークを組み合わせたものを指し、PHPを用いてシステム開発が簡易化できるよう、機能性を追加した共通のコードで形成された枠組みのことです。

PHPフレームワークには、システム開発に必要とされる様々な機能が搭載されています。そのため、コードを1から書いていく必要がなくなり、工数の削減が見込めます。さらに土台をきちんと構築することが可能なため、システム開発の初心者に向いていると言えます。

フレームワークとライブラリの違い

ライブラリとは、汎用性が高い複数のプログラムをまとめたものです。言い換えると、クラス及び関数等のパーツのまとまりで提供されるソースコードの部品を指します。

枠組みに合わせたシステム開発を行うフレームワークとは異なり、ライブラリではプログラマーが必要な機能を選定し、読み込みを行うことが可能です。システム開発の大枠の変更を加える場合、一から作り直す必要のあるフレームワークと比較し、ライブラリでは必要な機能を部分的に読ませることで、他のライブラリに変更することができるといった利点があります。

PHPフレームワークを利用するメリット

システム開発において、PHPフレームワークを利用するメリットとしては、次の4点が挙げられます。

  • 作業効率の改善
  • コードの統一性の保持(メンテナンス性の向上)
  • バグが残りにくい
  • セキュリティの向上

作業効率の改善

PHPフレームワークは、システム開発において活用できるテンプレート及びライブラリ等で構成されているため、コーディングの多くの部分は用意する必要がなく、作業効率の改善に繋げることが可能となります。

コードの統一性の保持(メンテナンス性の向上)

プロジェクトチームでシステム開発を行う場合、PHPフレームワークを活用することで、コードの統一性の保持(メンテナンス性の向上)が可能であるという利点があります。特にコーディングの技術力はエンジニアごとに異なり、PHPフレームワークを活用しない場合、コードがバラバラとなり、結果的に作業効率が落ちてしまうことに繋がりかねません。

バグが残りにくい

PHPフレームワークを活用することで、ヒューマンエラーが減り、コーディング作業のバグを減らすことにも繋がります。

セキュリティの向上

PHPフレームワークには、あらかじめセキュリティが組み込まれています。そのため、SQLインジェクションをはじめとし、データ改竄等一般的な脅威から保護することが容易となります。

PHPフレームワークを利用するデメリット

システム開発において、PHPフレームワークを利用するデメリットとしては、次の4点が挙げられます。

PHPフレームワークの学習時間が必要

PHPフレームワークを活用することができると、作業効率は向上しますが、PHPフレームワーク自体を学習することが必須となるため、学習に時間及び手間がかかってしまいます。

PHPフレームワークにはコストがかかるものがある

PHPフレームワークには、無料で使用できるものと有料で使用できるものがあります。選択するPHPフレームワークによっては、コストがかかってしまう場合があるので注意しましょう。

カスタマイズが難しい

PHPフレームワークでは土台はしっかりしていますが、細かい部分に関しては自分でカスタマイズする必要があります。カスタマイズすべき箇所が多いとわかっている場合、敢えてPHPフレームワークを活用しないというのも一つの手段です。

知識が偏る

PHPフレームワークはとても便利ではありますが、自分でコーディングする箇所が減るために、極端な例では仕組みを理解しなくても、システム開発を行うことが可能です。そのためPHPフレームワークの知識だけを持っていても、不具合が発生した際に修正できないといったような問題に直面してしまう可能性があります。

PHPフレームワークを選ぶポイント

PHPフレームワークには様々な種類があります。選ぶポイントを押さえておくことで、それぞれのPHPフレームワークの特徴を最大限に活用することができるでしょう。PHPフレームワークを選ぶポイントとしては次の2つが挙げられます。

  • 簡単に習得可能か
  • トレンドに合っているか

簡単に習得可能か

特にシステム開発経験が浅い初心者の場合、PHPフレームワーク自体の学習難度が高くなく、独自ルールが少ないものを選択するべきです。そうすることで、手間をかけることなく、PHPフレームワークを身につけることが可能となります。

さらに、メジャーなPHフレームワークはつまづいた際、参考になるサイトが数多くあるため、対処法を見つけやすいという利点があります。

トレンドに合っているか

トレンドに合ったPHPフレームワークを選択することで、一度習得した知識を別のシステム開発にも生かすことが可能です。常に最新のトレンドをチェックすることを推奨します。

主要なPHPフレームワーク14選

本項目では主要なPHPフレームワーク14選をご紹介致します。

Laravel

Laravelは、世界で最も人気があるといっても過言ではないPHPフレームワークです。2019年には世界シェアNO.1となっています。後述するSymphonyを土台に作られているため、Symphonyを使用したことがあれば、扱いやすいものになっています。

人気の理由は、新機能が頻繁にアップデートされていることや、誰でも簡単に学習することが挙げられます。

Laravel ホームページhttp://laravel.jp

CakePHP

CakePHPは、2005年に登場したPHPフレームワークですが、いまだにアップデートが頻繁に実施されています。ケーキを焼くように簡単にシステム開発ができると評判です。CakePHPは ※MVCアーキテクチャの概念で設計されており、エンジニアごとに担当を分けて分業することが容易となっています。

※MVCアーキテクチャとは下記の機能のことです。

  • Model:データベースとのやり取りを行う機能
  • View:ブラウザへの表示を行う機能
  • Controller:システム全体の制御を行う機能
CakePHP ホームページhttps://cakephp.org/jp

Symfony

Symfonyは、Mojaviから派生し、Ruby on Railの影響を受けて制作されたPHPフレームワークとして有名です。Symfonyは大規模なシステム開発に向いています。実際にかの有名なYahoo!もSymfonyを活用しているとのことです。

Symfony ホームページhttps://symfony.com

CodeIgniter

CodeIgniterは、軽量高速動作を特徴とし、フル機能のwebアプリケーションを制作することが可能なPHPフレームワークです。少ないコードで処理が可能で、初心者でも処理構造の把握が容易であり、ドキュメントが充実しています。

CodeIgniter ホームページhttps://codeigniter.jp/user_guide/3/

ZendFramework

ZendFrameworkは、シンプルで、拡張が容易なPHPフレームワークです。ZendFrameworkはMVCモデルに基づき設計されています。BSDライセンスという、著作権と免責事項の表示さえ守れば、改変及び再利用が自由に可能であるというライセンスを採用しています。そのため、商用利用しやすいライセンスとなっているのが特徴です。

ZendFramework ホームページhttps://framework.zend.com

Phalcon

Phalconは、C言語で実装されているPHPフレームワークです。そのため、高速な動作で、高いパフォーマンス性を持ったwebアプリケーションを設計することが可能です。Phalcon Devtoolsというツールがあり、プロジェクトの管理に気を取られることなく、system開発に集中することが可能となっています。

Phalcon ホームページhttps://docs.phalcon.io/4.0/en/introduction

Yii

Yiiは、2008年にPRADOの欠点を改善することで誕生したPHPフレームワークです。軽量でありながら、高い負荷のアプリケーションにも耐えることが可能な設計となっています。その特徴から、ポータルサイト及びCMS等に使用されるケースが多いです。

Yii ホームページhttps://www.yiiframework.com

FuelPHP

FuelPHPは、CodeIgniterの影響を受けており、シンプルな設計となっているPHPフレームワークです。軽量で速度が速いという特徴を持っています。しかし数多くの規約を覚えなければならないというデメリットがあるので、注意が必要です。

FuelPHP ホームページhttp://fuelphp.jp

Slim

Slimは、HTTPルーティング(リクエストとレスポンスの制御処理)に特化した軽量PHPフレームワークです。さらに処理の前後にフィルタリングの機能の提供を行うミドルウェア機能及びエラー処理機能等も提供しています。

Slim ホームページhttps://www.slimframework.com

Flight

Flightは、前述したSlimと同様に軽量のPHPフレームワークです。ドキュメントはとてもシンプルな設計のため、初心者でもすぐに使いこなせるという利点があります。学習コストがあまりかからないという点が嬉しいポイントです。

Flight ホームページhttps://flightphp.com

BEAR.Sunday

BEAR.Sundayは、Restful APIの開発を容易にすることができる日本人が開発したPHPフレームワークのことです。シンプルでありながら、とても強力であるという特徴があります。

BEAR.Sunday ホームページhttps://bearsunday.github.io/index.html

Kohana

Kohanaは、前述したCodeIgniterから派生し誕生したPHPフレームワークです。日本ではあまり浸透していないため、日本語のドキュメントはありません。しかし英語のドキュメントが充実しており、ライブラリが使いやすいといった利点があります。

Kohana ホームページhttps://kohanaframework.org

Ethna

Ethnaは、webアプリケーションを構築する過程の中で、同じようなコードを書いていると思わなくなることを目標としているPHPフレームワークです。フォーム機能が強力であるという特徴があります。

Ethnahttp://ethna.jp/doc/

Ice framework

ice frameworkは、C拡張モジュールとして製作されたPHPフレームワークです。シンプルでありながら高速で動作し、前述したPhalconよりも速いと言われており、今後更なる人気となる可能性があります。

Ice frameworkhttps://www.iceframework.org

まとめ

本記事では、システム開発におけるPHPフレームワークについて、主要なPHP フレームワークを中心に、メリットデメリット等を解説致しました。様々な種類が存在するPHPフレームワーク。その時々のシステム開発に最も適したものを選択し、効率よくシステム開発を行っていきましょう。

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