【DX(デジタルトランスフォーメーション)DXとIT化の違いとは?】DXのメリットや成功させるポイントも徹底解説!

最近、注目を集めているDX。一方で、DXに対する理解が異なっている部分や、ITなど他の用語と混ざってしまったりと、具体的にDXがどういう意味を持つものなのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

DXとIT化などの違いを理解できれば、DXとIT化の優先順位をつけた上で、DX推進の方向性をずらすことなく、会社や店舗のDXを最短で進めることにも役立てられます。

この記事では、DXとIT化の違いを中心に、DXのメリット成功させるポイントについても詳しく解説していきます。

DXとIT化の違い

DXと同じようなイメージを持たれやすい言葉に、「IT化」があります。実際は、少し意味合いが違ってくるのでしっかり理解するようにしましょう。

DXとは

IT技術等を使ったサービスや仕組みを浸透させて、人やモノ、企業をより便利にしていくための変化や改革、流れをさす言葉です。

IT化とは

情報技術のことで、インターネットなどのネットワークを駆使して便利に物事を進める技術であり、様々なものや仕組みを便利に行うための技術のことを指しています。

このようなことからも、IT化の先にDXがあると識別するとわかりやすいかもしれません。

DXとIoTの違い

IoTは、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。身の回りのさまざまなモノが、インターネットに繋がることをさす用語です。

たとえばスマートフォンがインターネットに接続できるのも、「電話のIoT」にあたりますが、スマホを筆頭に、近年ではテレビやエアコンなど、本来ネットと無縁だったモノも繋がるようになっています。これにより家の外にいても、室内にある電子機器の遠隔操作が可能になりました。最近増えてきているスマートスピーカーもIoT家電の一つです。

IoTにはセンサーなど、さまざまなモジュールが組み込まれています。モジュールから収集したデータはAIにより分析・学習され、新たなサービスや既存のサービス向上に活用することが企業側の主な目的とされています。またIoTの活用により、以下のような分野において人手不足が解消できると期待されています。

つまり、IoTにより新たなサービスや既存のサービス向上につながるため、DXを実現する1つの手段といえます。

DXとICTの違い

ICTは日本語に訳すると「情報伝達技術」です。ITに、コミュニケーション機能を加えたものがICTです。

近年では、ICTを活用したシステムは、教育機関や病院、オフィスなどで広く利用され始めています。テレビや新聞・インターネットなどで、ICTシステムなどを目にする機会も増えてきました。

例えば、パソコンやタブレットを使った学習システムや防犯カメラと連携させたセキュリティ対策などもICTを活用したサービスで、様々な業種で業務効率化を実現しています。

最近は、保育士不足、保育園不足にあたり、厚生労働省は「保育所等における業務効率化推進事業」を創設しました。そこには保育園がICTシステムを導入する際に、一定額の補助金を受けられるという取り組みも含まれます。そのため、多くの保育園でICTシステムの導入が進められています。

DXとIT化のメリット

ここからは、それぞれのメリットについて解説していきます。

DXのメリット

まずは、DXを行うメリットをご紹介していきます。

・働き方改革の実現

まずは、働き方改革の実現ができるという点です。AiやRPAなど、現状の業務を自動化できるツールを活用することで、テレワークを導入しやすくなったり、定時退社ができるようになったりします。

・人材不足の解消

働き方改革が実現されることにより、従業員にとって働きやすい環境が構築され、採用にも良い影響を与えるでしょう。もし今人材不足に悩んでいる企業があれば、人材不足の解消にもつながるかもしれません。

・業務効率化

AiやRPAなど、自動化ツールを活用することで、ヒューマンエラーを防ぐことにつながり、かつ従業員はコア業務に集中することができるようになります。これは、劇的な業務効率化にもつながるはずです。

・新規事業や新サービスのスムーズな開発

DXを実現することで新規事業や新サービスもスムーズに開発することができるようになります。実際、小さなところでいえば無人コンビニなどにおいて、Aiカメラを利用することでお客の行動状況を把握し、新しいマーケティングに役立てるという例も出てきているわけです。

今後、これまで以上に大量の情報を収集できたり、更にDXを促進したりすることができるようになれば、新サービスを続出させる企業が出てくるのも夢ではないかもしれません。

IT化のメリット

続いて、IT化によるメリットとはどのようなものがあるのかご紹介します。

・情報管理・共有の利便性アップ

ITツールの導入により、情報の管理や共有が非常に簡単になります。書類などを紙で管理している場合は、分類に手間がかかったり、必要な資料を見つけるのに苦労したりと不便なことが多いでしょう。

しかし、アナログな情報の電子化により、「いつでも、どこでも簡単に」書類を確認・管理・共有できます。また、データはクラウド上に保管されるため、紙での保管のように場所も取りません。

さらに、今までは職場にいないと確認できなかった情報に自宅などからアクセスできるため、テレワークにも対応できます。

・DX化の推進につながる

前述したように、IT化なしではDX化を実現できません。

ここで注意することは、IT化の目的が「業務効率化」であるように、必ずしも「DX化の推進」が目的にはならない点です。そのため、「なぜ社内でIT化するのか」を明確にすることが重要です。

DXを目指す3つの重要なポイント

DXを推進するうえで重要な3つのポイントは以下の3つです。それぞれを解説していきます。

DX化を推進するIT人材の育成

「DX化を推進するIT人材が不足している」ことが日本のDX改革を妨げる原因の1つとなっているため、早急にIT人材を育成する必要があります。

ただ、DXを推進するためには、「基礎的なIT知識」「データの重要性の理解」「UI・UX志向」などさまざまなスキルが必要であるため、社内に適任者がいない場合もあります。

その場合は中途採用をしたり、社内の人材にITスキルの研修を実施することで未来のIT人材を育成したりといった取り組みが必要です。

ITシステムの構築

DXを推進するためには、各部署でバラバラなITシステムを社内全体で統一することが重要です。なぜなら、各部署で異なるITシステムを利用していると部署間のデータ連携がうまくいかず、データのビジネスへの活用ができないためです。

具体的には、「外部のベンダーにシステム開発を発注する」「既存の外部システムを新しく活用する」「自社でシステムを開発し運営する」という、3つの選択肢がありますが、どの選択肢であっても、外注費用やシステム利用費など、ITシステムの構築には多額のコストがかかることは注意しておきましょう。

社内の組織改革

DXの推進には現場の協力はもちろん、経営トップの責任も必要です。なぜなら、DX成功のためには、経営トップが「DXでどのような価値を生み出し、どのようにビジネスを変革するのか」を明確にすることが重要であるためです。

IT化を推進する2つの重要なポイント

IT化を推進するうえで重要なポイントは、「データの電子化」と「クラウドサービスの活用」の2つです。それぞれ解説します。

・データの電子化

ここ数年、テレワークの普及とともに、データの電子化が急務となっています。データの電子化により、職場にいないと確認できなかった情報に自宅などからアクセスできるようになるからです。

テレワークの課題として最も多いのが「会社にある紙の書類をすぐに確認できない」という調査結果が出ています。

そのような結果からも、クラウドサービスなどを活用してデータを電子化することがIT化の推進において重要です。

・クラウドサービスの活用

クラウドサービスの活用もIT化において重要なポイントになります。チャットツールなどのクラウドサービスの活用により、紙で情報共有する際の手作業をカットし、業務の効率化を実現できるからです。

IT化により業務効率化を目指す際は、クラウドサービスの導入をおすすめします。

DX化を推進するための3つのステップ

DX化を推進するには、どのようなことが大事になってくるのでしょう。3つのステップで行動していくことが大事です。

目指す姿を明確にする

まずは、理想の自社の姿を明らかにしましょう。自社の目指すべき方向を明確にし、社内で共有することで、DXに向けて従業員が同じ方向を目指せるためです。

それにより、DXが途中で頓挫してしまったというよくある失敗を未然に防くことができます。

現状を分析し、自社の強みを探す

次に、自社の現状を分析し、強みを探すことです。それにより、DXとはデジタル技術とデータを活用した競争優位性の確立を指しますが、言い換えると、デジタル技術とデータで自社の強みを拡大することが重要であるためです。

具体的には、ビジネスモデル、製品やサービス、業務、組織、プロセス、企業風土などの項目で自社の現状を分析しましょう。

目指す姿と現状のギャップを埋める戦略を立てる

そして、DXをデジタイゼーション・デジタライゼーションに分類して考えることです。目指す姿と現状を明確にした上で、どのような流れでアナログなデータをデジタル化し、そこにどのような技術をかけ合わせていくのか検討することが、DX戦略の軸です。

DXの導入例

ここでは、実際に企業がどのようにDXを取り入れているのか、具体的な実例をもとに紹介していきます。

音楽ビジネス

音楽媒体はCDや楽曲ダウンロードから、聞き放題サービスのストリーミングサービスへと移行しつつあります。世界最大手のSpotifyは、2021年現在で2億3,200万人ものユーザーを抱えています。配信されている楽曲数の多さや他人が作ったプレイリストの利用、対応するスマホ端末の多さで差をつけ、成功を収めたといえます。

Amazonによるオンライン販売

地球上でもっとも豊富な品ぞろえを誇るAmazonは、本のオンライン販売を実施し、世界に先駆けたDX化を実現しました。Amazonがその巨大なECプラットフォームを構築したことで、私たちはどこにいても好きなものをなんでも購入できる環境を手に入れたのです。買い物に行くという行動を完全にデジタルに置き換えたAmazonは、まさにDXのお手本といえます。

Googleによる飲食店予約

GoogleのAIが人間の代わりにレストランや美容院の予約、映画のチケット購入をしてくれます。最初にサービスが開始されたアメリカを含め、現在は8か国で利用できます。今後は、商品を購入できる機能の追加や、日本でのサービスの開始が期待されています。

メルカリのスマホ完結型ネットオークション

スマホから誰でも簡単に売り買いが楽しめるメルカリは、日本最大のフリマアプリへと成長を遂げました。大量の顧客と商品データを集め、データプラットフォームを武器にサービスを提供しています。顧客に価値を感じてもらうことを常に追求し、スマホ完結型のサービスにすることで広く受け入れられ、多くの利用者を獲得しました。既存のネットオークションとは異なる付加価値を提供して成功した代表例といえます。

トライグループのオンライン授業

家庭教師の派遣会社であるトライグループは、スマホやタブレットで簡単に視聴できるオンライン授業「Try IT(トライイット)」という無料映像授業サービスを配信しています。ここでは、家庭教師サービスの既存事業で蓄積した教育ノウハウや生徒の行動データを活かし、「家庭教師を派遣する」ビジネスから、「コンテンツの提供で、学ぶ環境を提供する」ビジネスへと転換するDXが行われました。オンライン授業や動画学習の需要の増加につれて、拡大が期待されるサービスです。

まとめ

この記事では、今回は、DXとIT化の違いやそれぞれのメリット、DX推進のポイントなどを解説しました。今後、日本におけるDX化はますます加速していくことが予想されますが、ただやみくもにDX化するのは非効率です。

しっかりと考えを持ち、ステップを踏んでいくことが大事になってきます。DXを進める第一歩として、まずはIT化を進めていくことをおすすめします。

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