ツール

2024年最新版【WordPressスマホ対応完全ガイド】モバイルでのUX向上とSEO効果を実現する方法

スマートフォンからのインターネット利用が急増する中、WordPressサイトのモバイル対応は今や必須となっています。しかし、レスポンシブデザインの実装だけでは十分とは言えません。

ユーザー体験の向上、表示速度の最適化、そしてSEO効果の実現には、包括的なアプローチが必要です。

本記事では、WordPressサイトのスマートフォン対応について、基本的な設定から応用テクニックまで、実践的なノウハウを詳しく解説していきます。これからモバイル対応を始める方も、既存サイトの改善を検討している方も、必ず役立つ情報が見つかるはずです。

この記事を読んでほしい人

  • WordPressサイトのスマートフォン対応を進めたい管理者やWeb担当者
  • モバイルでの表示速度やUXを改善したいサイト運営者 
  • スマートフォンからのコンバージョン率を向上させたい事業者
  • モバイルSEO対策に取り組みたいマーケター

この記事でわかること

  • WordPressサイトのモバイル対応に必要な設定手順と最適化方法 
  • 表示速度とUXを改善するための具体的な実装テクニック 
  • AMPへの対応方法とその導入効果
  • モバイルSEOで順位を向上させるための施策
  •  実際の改善事例と具体的な成果

モバイルファーストが求められる背景

インターネットの利用形態は急速にモバイルシフトを続けています。

世界的な調査によると、2024年現在でインターネットトラフィックの80%以上がモバイルデバイスからのアクセスとなっています。このような状況下で、WordPressサイトのスマートフォン対応は、もはや選択肢ではなく必須となっています。

市場動向とモバイルシフトの現状

モバイルデバイスからのインターネット利用は、年々増加の一途を辿っています。

特に日本国内においては、20代から40代のユーザーの90%以上がスマートフォンを主要なインターネットアクセス手段として利用しています。

業界別に見ると、ECサイトでは全取引の70%以上がモバイル経由となっており、メディアサイトではページビューの85%以上をモバイルユーザーが占めています。

Googleのモバイルファーストインデックス

Googleは2019年より完全にモバイルファーストインデックスを採用しています。

これは検索エンジンがウェブサイトをクロールする際、モバイル版のコンテンツを優先的にインデックスするという方針です。そのため、デスクトップ版のみに最適化されたサイトは、検索順位に大きな影響を受ける可能性があります。

業界別モバイル対応の重要性

小売業界では、モバイルでの商品検索から購入までのシームレスな体験が求められています。サービス業界においては、スマートフォンからの予約や問い合わせが主流となっています。メディア業界では、モバイルでの記事読解性と広告表示の最適化が収益に直結します。

スマートフォン対応の基本設定

WordPressサイトのスマートフォン対応を始めるにあたり、まずは基本的な設定から着手する必要があります。

これらの設定は、サイトのモバイル対応の土台となる重要な要素です。

レスポンシブテーマの選択と設定

WordPressテーマの選択は、モバイル対応の成否を左右する重要な要素です。現代のテーマの多くはレスポンシブデザインに対応していますが、選択にあたっては以下の観点での評価が必要となります。

デモサイトでのモバイル表示確認、メニュー構造の使いやすさ、フォントの可読性などを総合的に判断することで、最適なテーマを選定することができます。

ビューポートの適切な設定

モバイルデバイスでの表示を最適化するためには、適切なビューポート設定が不可欠です。

ビューポートの設定は、スマートフォンやタブレットでウェブサイトを表示する際の表示領域を制御する重要な要素となります。header.phpファイルに適切なメタタグを設定することで、デバイスごとの表示を最適化することができます。

フォント設定の最適化

モバイルデバイスでの可読性を確保するため、フォントサイズとラインの高さの設定は特に重要です。

スマートフォンの画面サイズに合わせて、本文テキストは16px以上、見出しは適切な比率で大きくするなど、デバイスに応じた調整が必要となります。さらに、フォントの種類選択においても、モバイルでの表示を考慮した選定が重要です。

レスポンシブデザインの最適化

レスポンシブデザインの最適化は、単なるレイアウトの調整以上に、ユーザー体験全体を考慮した包括的なアプローチが必要です。

モバイルでのユーザビリティを最大限に高めるため、様々な要素を総合的に設計し、実装していく必要があります。

メディアクエリの実装戦略

メディアクエリの実装には、ブレイクポイントの設定からデバイス別のスタイル調整まで、綿密な計画が必要です。

特に重要なのは、一般的なデバイスサイズだけでなく、新しい端末にも対応できる柔軟な設計です。さらに、orientationの変更にも適切に対応できるよう、横幅だけでなく高さも考慮した設定が求められます。

タッチインタラクションの最適化

モバイルデバイスでの操作性を向上させるため、タッチターゲットのサイズやスペーシングには特別な注意が必要です。指での操作を考慮し、クリック可能な要素には適切なサイズとマージンを設定します。また、スワイプやピンチなどのジェスチャー操作にも配慮した実装が重要となります。

グリッドレイアウトの設計

モバイルデバイスでの表示を最適化するためには、柔軟なグリッドシステムの実装が不可欠です。

カラムレイアウトは画面サイズに応じて自動的に調整され、コンテンツの可読性を維持しながら効率的なスペース活用を実現します。特にWordPressのブロックエディタを使用する場合、グリッドの設定はより重要性を増します。

表示速度の改善

モバイルサイトの成功には、高速な表示速度が不可欠です。

Googleの調査によると、表示速度が1秒遅延するごとにコンバージョン率が7%低下するというデータが示されています。そのため、WordPressサイトの表示速度改善は最優先で取り組むべき課題となります。

画像最適化の重要性

画像の最適化は、モバイルサイトのパフォーマンス向上において最も効果的な施策の一つです。

最新の画像フォーマットであるWebPの採用や、適切な圧縮処理の実装により、画質を維持しながらファイルサイズを大幅に削減することが可能です。さらに、レスポンシブイメージの実装により、デバイスに応じた最適なサイズの画像を提供することができます。

キャッシュシステムの構築

効果的なキャッシュ戦略の実装は、表示速度の改善に大きく貢献します。ブラウザキャッシュ、ページキャッシュ、オブジェクトキャッシュなど、多層的なキャッシュシステムを構築することで、サーバーへの負荷を軽減しつつ、ユーザーへの高速なコンテンツ配信を実現することができます。

JavaScriptとCSSの最適化

フロントエンド資源の最適化も、表示速度向上の重要な要素です。

不要なJavaScriptの削除、CSSの最適化、ファイルの結合と圧縮など、様々な手法を組み合わせることで、初期読み込み時間を大幅に短縮することが可能です。特に重要なのは、クリティカルCSSの実装と非同期読み込みの適切な活用です。

コンテンツの最適化

モバイルデバイスでの閲覧体験を向上させるためには、コンテンツ自体の最適化も重要です。画面サイズの制限がある中で、いかに効果的に情報を伝達するかが課題となります。

モバイルフレンドリーな構成

コンテンツの構成は、モバイル環境での可読性を重視する必要があります。短い段落、明確な見出し、適切な行間設定など、モバイル画面での読みやすさを考慮した設計が求められます。また、スクロールの深さにも配慮し、重要な情報を優先的に表示する工夫も必要です。

フォーム最適化の具体策

モバイルデバイスでのフォーム入力は、ユーザー体験において特に重要な要素です。

タッチ操作での入力を考慮し、フォームフィールドのサイズ設定から入力補助機能の実装まで、きめ細かな対応が必要となります。

特に注目すべきは入力フィールドの適切なサイジングとバリデーション方法です。自動入力機能の活用やエラー表示の最適化により、ユーザーのストレスを最小限に抑えることができます。

アクセシビリティ対応の強化

モバイルサイトのアクセシビリティ対応は、すべてのユーザーに対して平等な利用環境を提供するために不可欠です。

WAI-ARIAの適切な実装、キーボード操作への対応、スクリーンリーダーでの読み上げ最適化など、包括的なアプローチが求められます。色のコントラスト比にも十分な注意を払い、視覚障害を持つユーザーにも配慮した設計を行います。

AMP対応の詳細

AMPの導入は、モバイルサイトのパフォーマンスを劇的に向上させる可能性を秘めています。

しかし、その実装には慎重な検討と計画が必要です。

AMP導入のメリットとデメリット

AMPの導入により、ページの読み込み速度は大幅に改善され、モバイル検索結果での表示優位性も期待できます。一方で、デザインの制限やアナリティクスの実装複雑化など、検討すべき課題も存在します。サイトの目的や運用方針に応じて、AMPの導入の是非を判断する必要があります。

AMP実装の具体的手順

AMP対応の実装は、段階的なアプローチが推奨されます。まずはブログ記事など、静的なコンテンツから始めることで、リスクを最小限に抑えながら効果を検証することができます。

実装にあたっては、AMPの仕様に準拠したHTMLの作成、画像の最適化、スクリプトの制限など、細かな要件に注意を払う必要があります。

AMPサイトの保守管理

AMPサイトの運用には、継続的なモニタリングと最適化が欠かせません。

Google Search Consoleでの検証エラーチェック、アナリティクスデータの分析、パフォーマンス指標の監視など、定期的なメンテナンスが重要となります。また、AMPの仕様更新にも適宜対応し、最新の機能や改善点を取り入れていく必要があります。

SEO対策の実践

モバイルSEOは、従来のデスクトップSEOとは異なるアプローチが必要です。

Googleのモバイルファーストインデックスに対応しながら、効果的なSEO施策を展開することが求められます。

モバイルSEOの基本戦略

モバイルSEOの成功には、技術的な最適化とコンテンツの質の両立が不可欠です。

モバイルフレンドリーテストでの合格はもちろんのこと、コアウェブバイタルの各指標においても高いスコアを維持する必要があります。特にLCP(Largest Contentful Paint)、FID(First Input Delay)、CLS(Cumulative Layout Shift)の最適化は重要です。

ローカルSEOの強化

スマートフォンユーザーの多くは、地域に関連した検索を行います。Googleマイビジネスの最適化、構造化データの実装、地域に特化したコンテンツの作成など、ローカルSEOに注力することで、モバイル検索での露出を増やすことができます。

パフォーマンス分析と改善

SEO施策の効果を最大化するためには、継続的な分析と改善が欠かせません。Google Search ConsoleやGoogle Analyticsのモバイルレポートを活用し、ユーザー行動の分析や技術的な問題の特定を行います。

実践的なケーススタディ

ケースA:大手ECサイトのモバイル最適化

あるアパレルEC企業では、モバイルでの購入率向上を課題としていました。特に商品詳細ページでの離脱率が高く、売上機会の損失が発生していました。

実施した対策

サイトの詳細な分析の結果、以下の改善を実施しました。画像の遅延読み込みを実装し、ページの初期表示を高速化。商品画像のズーム機能を改善し、詳細の確認を容易にしました。また、サイズ表の表示を最適化し、モバイルでの視認性を向上させました。

改善結果

これらの施策により、ページ読み込み時間が2.5秒から1.2秒に短縮。モバイルでの購入率は前年比で35%向上し、カート離脱率も15%改善しました。

ケースB:メディアサイトのモバイル対応

ある総合ニュースメディアでは、モバイルユーザーの滞在時間延長が課題でした。

メディアサイトでの具体的な改善施策

広告配信の最適化、記事レイアウトの改善、ナビゲーションの使いやすさ向上などを実施しました。特に効果が高かったのは、スクロール位置に応じた次の記事推薦機能の実装です。これにより、ユーザーの回遊性が大幅に向上しました。

改善後の成果

平均滞在時間は2分30秒から4分15秒に増加。ページ離脱率は45%から32%に改善し、広告収益も前年比で25%増加を達成しました。

ケースC:企業サイトのレスポンシブ化

製造業の企業サイトで、スマートフォンからの問い合わせ率向上を目指したケースです。

実施した改善策

コンタクトフォームのモバイル最適化、商品カタログのPDF最適化、問い合わせ動線の改善を実施しました。特にフォームの入力項目を必要最小限に絞り、自動入力機能を強化したことで、大きな効果が得られました。

具体的な成果

モバイルからの問い合わせ数が前年比で65%増加。資料請求数も40%増加し、営業機会の創出に大きく貢献しました。

教えてシステム開発タロウくん!!

モバイル対応の基本から応用まで

Q1:WordPressサイトのモバイル対応で、まず始めるべきことは何ですか?

A1:まずは現状の分析から始めましょう。Google Search Consoleでのモバイルユーザビリティレポートの確認、実際のスマートフォンでの表示チェック、ページ速度の計測などが重要な最初のステップとなります。

Q2:モバイルサイトの表示速度を改善するために、効果的な方法を教えてください。

A2:表示速度の改善には複数のアプローチがあります。最も効果が高いのは画像の最適化で、次にキャッシュの活用、そしてJavaScriptの最適化です。特に画像最適化では、WebPフォーマットの採用や適切なサイズ設定が重要です。

Q3:コアウェブバイタルの改善方法について教えてください。

A3:コアウェブバイタルの改善には、まず各指標の現状を把握することが重要です。

LCPの改善にはサーバーレスポンスの最適化とリソース配信の効率化、FIDの改善にはJavaScriptの実行時間短縮、CLSの改善には画像やコンテンツの表示領域の事前確保が効果的です。

これらの対策により、総合的なユーザー体験の向上が期待できます。

Q4:AMPは本当に必要なのでしょうか?

A4:AMPの必要性は、サイトの目的や要件によって判断する必要があります。ニュースサイトやブログなど、記事コンテンツが中心のサイトではAMPの導入が効果的です。一方、ECサイトや複雑な機能を持つウェブアプリケーションでは、通常のレスポンシブ対応で十分な場合もあります。

Q5:モバイルでのコンバージョン率を上げるコツはありますか?

A5:モバイルでのコンバージョン率向上には、ユーザー体験の最適化が不可欠です。

フォーム入力の簡素化、決済プロセスの最適化、明確なCTAボタンの設置、そして信頼性を高める要素の配置が重要です。

特にチェックアウトプロセスでは、不要な入力項目を削減し、自動入力機能を活用することで、離脱率を低減できます。

まとめ:効果的なモバイル対応への道のり

WordPressサイトのモバイル対応は、技術的な実装から運用面まで、多岐にわたる要素を総合的に最適化する必要があります。特に重要なポイントは以下の通りです。

実装のポイント

モバイル対応の基本となるレスポンシブデザインの実装から、パフォーマンス最適化、コンテンツの調整まで、段階的なアプローチが重要です。特にページ速度の改善とユーザー体験の向上は、継続的な取り組みが必要となります。

運用面での注意点

定期的なパフォーマンス計測と改善、ユーザーフィードバックの収集と分析、そして最新のトレンドへの対応が欠かせません。特にGoogleの動向やウェブ標準の変化には常に注意を払う必要があります。

次のステップに向けて

モバイル対応は一度の実装で終わるものではなく、継続的な改善が必要なプロセスです。定期的なサイト診断と改善計画の策定、そして実施という循環を作ることで、長期的な成果を上げることができます。

リポジトリ完全ガイド【2024年最新版】Git/GitHubの使い方を徹底解説

Git/GitHubのリポジトリ運用でお困りではないですか?

「リポジトリ完全ガイド」では、Git/GitHubのインストールから、チーム開発でのブランチ運用、プルリクエスト、コードレビュー、マージまで、開発現場で必須となる実用的な知識を徹底解説!

このガイドを読めば、Git/GitHubの基礎から応用までをマスターし、チーム開発を効率化できます。

この記事を読んでほしい人

  • Git/GitHubを初めて使う人
  • Git/GitHubでチーム開発を効率化したい人
  • Git/GitHubでよくあるトラブルの解決策を知りたい人

この記事でわかること

  • Git/GitHubのインストール方法から、チーム開発でのブランチ運用、プルリクエスト、コードレビュー、マージまで
  • Git/GitHubを使って複数人でシステムやアプリを開発する際の基本的な使い方
  • Gitを使ったリポジトリ運用でよくあるトラブルと解決策

リポジトリとは

リポジトリとは、英語表記で「repository」と表記し、主にバージョン管理システムにおいて、ソースコードおよびドキュメントなどのデータやファイルを格納している保管庫のようなものを指します。

単に保管しているだけでなく、データ変更時の担当者や変更内容などのログを逐一残すため、複数人でのデータ管理においても矛盾なく共有することができ、システムおよびアプリ開発においてなくてはならない存在です。

リモートリポジトリとは

リモートリポジトリとは、その名の通り、後述するGitに代表される分散型バージョン管理システムにおいて、ネットワーク上のサーバーで運用されるリポジトリのことです。

集中型バージョン管理システムにおけるリモートの1箇所にのみ設置されるリポジトリは、リモートリポジトリとは呼ばれません。

ローカルリポジトリとは

ローカルリポジトリとは、後述するGitに代表される分散型バージョン管理システムにおいて、各プロジェクトメンバーが操作するコンピュータ上に作成・複製されるリポジトリのことです。

プロジェクトメンバーがローカルリポジトリに変更を加えた後、管理者がローカルリポジトリの内容を精査し、リモートリポジトリに反映させます。

Gitとは

Gitとは、分散型バージョン管理システムのことであり、編集したソースコードに不備があったり操作を間違えたりした場合に、以下のような機能を搭載しています。

  • すぐに以前のバージョンに戻す
  • 変更内容の詳細をプロジェクトメンバー全員で共有できる
  • 複数のメンバーが修正したソースコードを矛盾なく統合できる

GitHubとは

GitHubとは、グローバルな単位でソースコードやデザインデータなどを保存・公開できるソースコード管理サービスのことです。

有名で人気のあるサービスであることから、さまざまなプロジェクトで採用されることが多く、プログラマーやエンジニアであれば使用できて当たり前の状況になりつつあります。

GitおよびGitHubの基本的な使い方

リポジトリやGit、GitHubの概要を理解したところで、ここではGitおよびGitHubの基本的な使い方について順を追って解説します。

  • Gitをインストールする
  • Gitを初期設定する
  • GitHubのアカウントを作成する
  • リモートリポジトリを作成する
  • ローカルリポジトリを作成する
  • ローカルリポジトリにコミットする
  • リモートリポジトリにプッシュする

GitとGitHubを初めて使うという方は参考にしてください。

Gitをインストールする

まずはじめに、Gitの公式サイト(https://gitforwindows.org)からGitをダウンロードします。

なお、ここではWindows環境を前提に話を進めます。

※MacOSであればGitはすでにインストール済みのため、Gitをわざわざインストールする必要はありません。

公式サイトのトップ画面にある「Download」をクリックし、インストーラーをコンピュータに保存します。

インストーラーをダウンロード後、ダブルクリックすると「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されるので、「はい」をクリックします。

次に「ライセンスに同意する」をクリックし、インストール先のフォルダを選択します。インストール先のフォルダはデフォルトのままでも問題ありません。

その後もダイアログにいくつかの質問が表示されますが、基本的にはデフォルト設定のまま進めます。

最後に「Install」をクリックするとインストールが完了します。

インストールが完了したら、Git Bashを起動します。

Git Bashは、WindowsでGitのコマンド操作を行うためのツールです。

次のコマンドを入力し、Gitのバージョンが表示されれば、Gitのインストールは成功です。

$ git –version

Gitを初期設定する

まずはじめに、Gitにおいてソースコードの変更履歴を確認するために必要な情報を登録します。

前述したように、Gitを操作するには、通常WindowsではGit Bashを、MacOSではターミナルを使います。

ユーザー名登録

Gitのユーザー名を登録するには、次のコマンドを入力します。

git config –global user.name 任意のユーザー名

メールアドレス登録

登録したユーザー名に紐付けるメールアドレスを登録するには、次のコマンドを入力します。

git config –global user.email 登録済みのユーザー名に紐づけるメールアドレス

ユーザー名およびメールアドレスの確認

Gitに登録したユーザー名とメールアドレスを確認するには、次のコマンドを入力します。

$ git config –list
core.symlinks=false
core.autocrlf=false
color.diff=auto

上記コマンドを入力すると、下部に下記のように登録したユーザー名及びメールアドレスが表示されます。

user.name=登録済みユーザー名
user.email=登録済みメールアドレス

GitHubのアカウントを作成する

Gitの初期設定が完了したら、GitHubのアカウントを作成します。

GitHubの公式サイト(https://github.com)にアクセスし、トップ画面右上の「Sign up」をクリックするか、または「Email address」欄にメールアドレスを入力し、緑色の「Sign up for GitHub」をクリックして、画面表示に従ってアカウントを作成しましょう。

リモートリポジトリを作成する

GitHubのアカウントが作成できたら、リモートリポジトリを作成します。

GitHubにログインし、「Create Repository」をクリックします。

次に表示される画面では「Repository name」に任意のリポジトリ名を入力し、次の2種類のリポジトリのうちいずれかを選択します。

Public自分以外のユーザーでもソースコードを閲覧可能
Private自分のみソースコード閲覧可能(非公開)

「Initialize this repository with a README」は、READMEファイル(リポジトリの説明や使い方が記載されたファイル)をあらかじめ作成する場合にのみチェックを入れます。

一番下の「Add .gitgnore: None」と「Add a license: None」は、デフォルトのまま「None」で問題ありません。「Create repository」をクリックします。

ローカルリポジトリを作成する

リモートリポジトリが作成できたら、ローカルリポジトリを作成します。

任意の名前でディレクトリを作成し、そのディレクトリ内で次のコマンドを入力すると、リポジトリとして初期化されます。

git init

ローカルリポジトリにコミットする

続いて、ローカルリポジトリにコミットします。

コミットとは、ローカルリポジトリにファイルの追加や変更を反映させることです。

ここでは、ローカルリポジトリにファイルを追加してみましょう。

先ほど作成したディレクトリ内で、テキストエディタなどを使って「index.html」というファイルを作成します。

ファイルを作成したら、次のコマンドを入力し、「index.html」をインデックスに追加します。

git add index.html

「index.html」をインデックスに追加できたら、次のコマンドを入力し、ローカルリポジトリにコミットします。

git commit -m “[Add] index”

※コマンド内の「-m」は、コミットメッセージを入力するためのオプションです。変更内容を記録に残せるので、他のメンバーと共有したい情報がある場合などに活用するとよいでしょう。

次のコマンドを入力すると、コミットメッセージを含めた変更履歴を確認できます。

$ git log

リモートリポジトリにプッシュする

ローカルリポジトリに変更を加えたら、GitHub上に作成したリモートリポジトリにプッシュ(反映)します。

まず、変更したローカルリポジトリとリモートリポジトリを関連付けるために、ローカルリポジトリ内で次のコマンドを入力します。

git remote add origin https://github.com/ユーザー/任意のリモートリポジトリ名.git

次に下記のコマンドを入力しプッシュ(反映)します。

git push origin master

このとき、GitHubのユーザー名とパスワードの入力が必要になります。

GitおよびGitHubでのプロジェクトチーム開発の基本的な使い方

次に、GitとGitHubを使って、複数人でシステムやアプリを開発する際の基本的な使い方を解説します。

  • リポジトリをクローンする
  • ブランチを作成する
  • ブランチでコミットする
  • リモートリポジトリにプッシュする
  • コードレビューおよびマージする
  • リモートリポジトリからプルする

チームを組んでシステム・アプリ開発を検討している方は目を通してみてください。

リポジトリをクローンする

プロジェクトでシステムやアプリを開発する際は、プロジェクトのリモートリポジトリからソースコードを取得します。

まず、先ほどの手順で作成したものとは別の名前でディレクトリを作成し、そのディレクトリ内で次のコマンドを実行します。

git remote add origin https://github.com/ユーザー/任意のリモートリポジトリ名.git

ディレクトリ内に「index.html」が表示されれば、クローンは成功です。

ブランチを作成する

ブランチとは、複数のプロジェクトメンバーが同時並行で開発を行うための機能のことです。

デフォルトのブランチであるmasterを基に、次のコマンドを入力し、任意の名前のブランチを作成します。

git branch 任意のブランチ名

任意のブランチが作成できたら、任意のブランチ上で作業を行うために、次のコマンドを入力します。

git checkout 任意のブランチ名

上記コマンドを入力後、任意のブランチで作業できます。

ブランチでコミットする

先ほど作成した任意のブランチで「login.html」というファイルを作成してみましょう。

「login.html」を作成後、次のコマンドを入力し、任意のブランチにコミットします。

git add login.html
git commit -m “[Add] login”

リモートリポジトリにプッシュする

リモートリポジトリに、次のコマンドを入力して任意のブランチの内容をプッシュ(反映)します。

git push origin 任意のブランチ名

GitHubにログインし、任意のブランチに変更内容がプッシュ(反映)されていることと、masterに変更内容がプッシュ(反映)されていないことを確認しましょう。

コードレビューおよびマージする

任意のブランチでの変更が完了したら、masterブランチにマージ(統合)します。

※マージ(統合)を行う際にはGitHubに搭載されているpull request機能を活用すると管理者は各プロジェクトメンバーにコードレビューを行えます。

管理者は、各プロジェクトメンバーのソースコードの内容を精査し、レビューのコメントを入力し「Create pull request」をクリックします。

その後修正などを経て問題のないことが確認でき次第「Conversation」内の「Merge pull request」をクリックすると、同時にマージ(統合)がされます。

リモートリポジトリからプルする

これまでの工程では、リモートリポジトリ上のmasterブランチにマージ(統合)がされただけで、各プロジェクトメンバーのローカルリポジトリ上のmasterブランチにはマージ(統合)内容が反映されていません。

そのため、ローカルリポジトリのmasterブランチにプル(取得)し、最新情報に更新する必要があります。

ローカルリポジトリのmasterブランチに下記コマンドを入力して切り替えます。

git checkout master

続いて「git pull」コマンドを実行し、リモートリポジトリのmasterブランチから最新情報をプル(取得)します。

このような作業を繰り返しながら、プロジェクトチームによる開発が進んでいきます。

Gitのトラブルシューティング|よくある問題を解決

ここでは、Gitを使ったリポジトリ運用でよくあるトラブルと、その解決策をまとめました。

  • コミットに関するトラブル
  • ブランチに関するトラブル
  • プッシュ/プルに関するトラブル

Gitを使いこなしていると、予期せぬエラーや問題に直面することがあります。

Gitのトラブルシューティングは、エラーメッセージをよく読み、適切なコマンドを実行することで解決できますが、解決しない場合は、Gitの公式ドキュメントやオンラインコミュニティを参考にしましょう。

コミットに関するトラブル

うっかり間違えたコミットを取り消したい、コミットメッセージを修正したい、などの悩みはGitユーザーにはよくあることです。

<トラブルの内容>

  • 間違ったファイルをコミットしてしまった
  • コミットメッセージに誤りがあった
  • 直前のコミットを取り消したい

<解決策>

  • コミットの取り消し:git reset コマンドでコミットを取り消すことができます。
    • git reset –soft HEAD^:直前のコミットを取り消し、変更はステージングエリアに残ります。
    • git reset –hard HEAD^:直前のコミットを取り消し、変更も破棄されます。
  • コミットメッセージの修正:git commit –amend コマンドで直前のコミットメッセージを修正できます。
  • コミット履歴の修正:git rebase -i コマンドで過去のコミット履歴を編集できます。

ブランチに関するトラブル

ブランチのマージでコンフリクトが発生したり、誤ってブランチを削除してしまったりするトラブルは、チーム開発で特に注意が必要です。

<トラブルの内容>

  • マージの際にコンフリクトが発生した
  • ブランチを誤って削除してしまった

<解決策>

  • コンフリクトの解決:コンフリクトが発生したファイルを直接編集し、競合している部分を解消します。その後、git add と git commit で変更を確定します。
  • 削除したブランチの復元:git reflog で削除されたブランチの履歴を見つけ、git checkout -b <ブランチ名> <コミットID> で復元できます。

プッシュ/プルに関するトラブル

リモートリポジトリとの連携で発生するプッシュ/プルのエラーは、ネットワーク環境や権限設定が原因であることが多い傾向にあります。

<トラブルの内容>

  • プッシュが拒否された
  • プルができない

<解決策>

  • プッシュが拒否された場合
    • リモートリポジトリが更新されている場合は、git pull で最新の状態に更新してから再度プッシュします。
    • 権限が不足している場合は、リポジトリの管理者に問い合わせます。
  • プルができない場合
    • ネットワーク接続を確認します。
    • リモートリポジトリの URL が正しいか確認します。

リポジトリに関するよくある質問

ここからは、リポジトリに関するよくある質問にMattockシニアコンサルタントが回答していきます。

  • Q1. リポジトリをクローンするとどうなるの?
  • Q2. リポジトリとは何を管理するもの?
  • Q3. ローカルリポジトリを確認する方法は?
  • Q4. GitHubのリポジトリをクリアするには?
  • Q5. Gitのクローンの目的は何ですか?
  • Q6. Gitでクローンするとどうなる?
  • Q7. リポジトリはなぜ必要なのか?
  • Q8. レポジトリーとはITで何ですか?

リポジトリについてもう少し理解を深めておきたいという方は参考にしてください。

Q1. リポジトリをクローンするとどうなるの?

リポジトリをクローンすると、リモートリポジトリ(たとえばGitHub上にあるリポジトリ)の全てのファイルや変更履歴が、自分のPC上にコピーされます。

これにより、ローカル環境で自由に編集や実験を行うことができ、作業が終わったらリモートリポジトリに反映させることが可能です。

Q2. リポジトリとは何を管理するもの?

リポジトリは、主にソースコードやそれに関連するファイル(ドキュメント、設定ファイルなど)を管理するものです。

バージョン管理システム(Gitなど)と連携することで、ファイルの変更履歴を追跡し、過去の状態に戻したり、複数人で同時に作業したりすることが可能になります。

Q3. ローカルリポジトリを確認する方法は?

ローカルリポジトリは、PC内のファイルシステム上に存在するため、Git Bashなどのターミナルソフトを使って、リポジトリをクローンしたディレクトリに移動し、git status コマンドを実行すると、現在の状態を確認できます。

また、GUIクライアントツールを使用すれば、視覚的に確認することも可能です。

Q4. GitHubのリポジトリをクリアするには?

GitHubのリポジトリを完全にクリア(空にする)には、以下の手順で行います。

  1. リポジトリの設定ページを開く
  2. Optionsタブを選択
  3. Danger Zoneセクションにある「Delete this repository」ボタンをクリック
  4. リポジトリ名を入力して確認し、削除を実行

ただし、この操作は元に戻せないので、注意が必要です。

Q5. Gitのクローンの目的は何ですか?

Gitのクローンの目的は、リモートリポジトリの完全なコピーをローカル環境に作成することです。

これにより、オフラインでも作業できるようになり、ネットワークに依存せずにバージョン管理が可能になります。

また、複数人で開発する場合、各々がリポジトリをクローンして作業することで、効率的に共同作業を進められます。

Q6. Gitでクローンするとどうなる?

Gitでクローンを実行すると、以下のようになります。

  1. リモートリポジトリの全履歴がローカルにコピーされます。
  2. ローカルリポジトリとリモートリポジトリが紐づけられます。
  3. 以降、ローカルで行った変更は、プッシュ操作でリモートリポジトリに反映できます。

Q7. リポジトリはなぜ必要なのか?

リポジトリは、以下の理由で必要とされます。

  • バージョン管理:ファイルの変更履歴を管理し、過去の状態に戻したり、変更内容を比較したりできる
  • バックアップ:ファイルが消失した場合でも、リポジトリから復元できる
  • 共同作業:複数人で同時に開発する場合、変更内容を共有し、競合を解決できる

Q8. レポジトリーとはITで何ですか?

リポジトリは、ITの文脈では、主にソースコードや関連ファイルを保管するための場所を指します。

バージョン管理システムと組み合わせて使用されることが多く、ソフトウェア開発において重要な役割を果たします。

まとめ

この記事では、GitおよびGitHubの基本的な使い方をはじめ、プロジェクトチームによる開発の際の使い方について解説しました。

GitおよびGitHubによってリポジトリを正しく活用することで、プロジェクトメンバー全員がそれぞれ並行作業を行いながら、効率よくシステムおよびアプリ開発を行うことができます。

もちろん、Git以外にもバージョン管理システムにはさまざまなものがあります。

ご自身に合ったバージョン管理システムを活用し、システムおよびアプリ開発に役立ててください。

関連ツールも紹介【プロジェクト体制図】システム開発におけるプロジェクト体制図について、作成する際のポイントなどを徹底解説

システム開発を円滑に進めていくために必要不可欠と言っても過言ではないプロジェクト体制図をご存知でしょうか。プロジェクト体制図はきちんと要点を押さえて作成しなければ、逆に開発の妨げになってしまうことも少なくありません。

そこで本記事では、プロジェクト体制図について、概要をはじめ、なぜ大切なのかや作成する際のポイントなどを徹底解説いたします。

プロジェクト体制図とは

https://pixabay.com/ja/illustrations/プロジェクト管理-事業計画-2061635/

システム開発におけるプロジェクト体制図とは、特定のプロジェクトに関して認識及び目的をメンバー全員と共有することで、各担当者の役割を明確にし、パフォーマンス向上を図ったり、予期せぬトラブルが発生したとしてもすぐにリカバリーできたりするように作成される体制図のことです。

プロジェクト内に存在するチームや指揮系統が明確になることで、いつ、どこで、誰が、何をしているのか、何をするべきなのか、何かあった時の責任の所在はどこあるのかが具体的に示されます。

システム開発においてなぜプロジェクト体制図が大切なのか

システム開発においてプロジェクト体制図がなぜ大切なのかというと、次の4つが挙げられます。

  • プロジェクトメンバーの認識を揃えるため
  • 指揮命令系統を明確にするため
  • プロジェクトの説明が容易になるため
  • 変更点があったとしてもわかりやすい

プロジェクトメンバーの認識を揃えるため

プロジェクト体制図があることで、何を目的としたシステム開発なのか、いつまでに開発するべきなのか、個々の役割はなんなのかなど、メンバーの認識が統一されます。また、万が一メンバーに変更があったり、予期せぬトラブルが発生したり、急な仕様変更があったりした場合に、プロジェクト内のチーム編成や担当の変更なども発生することもあり、こういった突発的な事象に対しても、リアルタイムで更新して内容を共有でき、臨機応変に対応することができるというメリットがあります。

指揮命令系統を明確にするため

プロジェクト体制図では、メンバーそれぞれの役割や指揮命令系統が明確に図で示されていることから、誰に何を報告すべきかが明確になります。もし、プロジェクト体制図がなければ、指揮命令系統がはっきりしないため、管理体制が複雑化かつ煩雑化してしまい、進捗の遅れや予期せぬトラブルに発展してしまいかねません。

プロジェクトの説明が容易になるため

プロジェクト体制図があれば、キックオフ会議などにおいて、プロジェクト全体像を明確かつ容易に説明することができるでしょう。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、プロジェクト体制図がなければ、説明はおろか聞いている側もプロジェクトを理解できないという事態になってしまいます。

変更点があったとしてもわかりやすい

プロジェクト体制図を作成していれば、もし進行中になんらかの変更点があったとしても、リアルタイムで反映していれば、メンバー全員がすぐに理解し動けるというメリットがあります。ただし、変更点が生じたにも関わらずプロジェクト体制図をアップデートしなければ、混乱やトラブルの引き金となってしまうことがあるため注意しましょう。

プロジェクト体制図に記載されるポジション

https://unsplash.com/photos/b21Ty33CqVs

プロジェクト体制図には、様々なポジションが明記されますが、中でも欠かせないものとして次の3つが挙げられます。

  • プロジェクトオーナー
  • プロジェクトマネージャー(PM)
  • チームリーダー(TL)

プロジェクトオーナー

プロジェクトオーナーとは、その名の通り、プロジェクトの実施そのものを決定する者なおかつプロジェクトの発注者のことを指します。プロジェクト体制図においては、最も高い位置に記載され、プロジェクトを円滑に進行させ、成功させるために必要不可欠な存在です。

自社プロジェクトの場合には、後述するプロジェクトマネージャー(PM)の上司が指名されることが一般的ですが、クライアントから発注を受けて開発する場合にはクライアント側のメンバーがプロジェクトオーナーとなる場合もあります。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャー(PM)とは、前述したプロジェクトオーナーが決定及び発注したプロジェクトを管理し、実質的にプロジェクトに対して責任を持つ存在です。プロジェクトが円滑にスケジュール通りに進んでいるかどうか、随時進捗状況を確認しつつ、コストや品質、メンバー、リスクなどの管理業務を担います。プロジェクト体制図においてはプロジェクトオーナーの次点に記載されるポジションです。

プロジェクトの進捗状況に応じて、資源や人材の追加投入、スケジュール修正などを行ったり、プロジェクトオーナーに適宜進捗状況の報告を行ったりします。その業務は多岐にわたることから、豊富な経験を積んだものが指名されることが一般的です。

チームリーダー(TL)

チームリーダー(TL)とは、プロジェクト内にいくつか存在するチームごとに据えられるリーダーのことです。各チームメンバーを統率しつつ、メンバーのモチベーションやパフォーマンスを向上させながら、プロジェクトを成功に導くために欠かせない存在です。プロジェクト体制図においては、前述したプロジェクトマネージャー(PM)の次点に各チームリーダー(TL)が記載されます。

プロジェクト体制図を作成する際のポイント

https://unsplash.com/photos/73OZYNjVoNI

プロジェクト体制図を作成する際、押さえておくべきポイントとして、次の5つをご紹介いたします。

  • プロジェクトの目的及び目標が決定してから作成
  • シンプルにわかりやすくまとめる
  • 指揮系統を1つにする
  • 各ポジションの役割を明確にする
  • なるべく1人につき1つの役割配置にする
  • やむを得ない変更があった際には書き換えを行う

プロジェクトの目的及び目標が決定してから作成

システム開発を行うことになった段階でプロジェクト体制図を作成してしまうと、全ての工程を明確化することができず、結果的に意味のないものになりかねません。

そのため、プロジェクト体制図は、プロジェクトの目的及び目標がきちんと定まってから作成すべきです。目的及び目標がきちんと定まっていれば、コストや工程の無駄を省きつつ、適材適所にメンバー配置及びチーム配置することが可能となります。

シンプルにわかりやすくまとめる

当たり前のことですが、プロジェクト体制図は、誰がみても明確に理解できるよう、シンプルにわかりやすくまとめる必要があります。もし、チームやメンバーの役割が曖昧な場合、結局メンバーは誰に指示を仰げばよいのかわからなかったり、指揮する側が1人のメンバーにたくさんの指示を与えてしまったりしてしまう可能性があります。

指揮系統を1つにする

チームリーダー(TL)など、指揮系統は1つにすることも大切です。指揮系統が1つになっていなければ、メンバーは混乱してしまいます。プロジェクト体制図においては、必ず1つの線で指揮系統を明確にしましょう。

各ポジションの役割を明確にする

プロジェクト体制図において、各メンバー及びチームの役割は明確にしておかなければ、円滑にプロジェクトは進行しません。開発、品質、運用、テストなど、誰がみても役割がわかるような記載を心がけましょう。

なるべく1人につき1つの役割配置にする

コストや人材確保の条件にもよりますが、可能な限り1人につき1つの役割を配置するという意識を持つことが大切です。特にチームリーダー(TL)が兼任してしまうと、負担が多くなってしまい、予期せぬヒューマンエラーが起きてしまうこともあり得ます。

やむを得ない変更があった際には書き換えを行う

プロジェクトを進行する中では、どうしてもスケジュールの変更や、仕様変更、トラブル発生のためのリカバリーなど、様々な事象が発生することで、プロジェクト体制図にも変更が生じる場合があります。その場合には、必ずリアルタイムでプロジェクト体制図をアップデートし、常に最新の状態を維持しなければ、せっかく構築した管理体制が崩壊してしまうことに繋がりかねませんので注意が必要です。

プロジェクト体制図の作成や運用が便利になるツール

プロジェクト体制図を実際に作成する際に、作成及び運用が便利になるツールを5つご紹介いたします。

  • XMind
  • figma
  • Miro
  • Notion
  • Mermaid

XMind

https://jp.xmind.net

XMindとは、マインドマップの作成及びブレインストーミング機能を備えたアプリであり、世界で1億回以上もインストールされている実績を誇ります。無料版と有料版の2パターンが存在しており、もちろん有料版の方が使える機能は多くなっていますが、無料版でも最低限利用できるため、まずは無料版を試してみるのがおすすめです。

特性要因図(とくせいよういんず)/ 魚骨図、タイムライン、ツリーテーブル、組織図など様々な図を簡単に作成することができ、作成した後は優先順位及び進捗を示すようなアイコンをつけることもできるため、プロジェクト体制図を作成するのはもちろん運用にも便利であると言えるでしょう。

XMindは、すべてのプラットフォームに対応しているため、作成したプロジェクト体制図は、リンクを共有することで簡単にメンバーと共有することができるのも嬉しいポイントです。

XMindhttps://jp.xmind.net

figma

https://www.figma.com/ja/

figmaとは、ブラウザ上で作業可能なデザインツールであり、自分が思った通りスピーディーに図形を用いながらプロジェクト体制図を作成することができます。作成したらすぐにブラウザ上で共有することができるのはもちろん、各メンバーにコメントツールを使用してプロジェクト体制図自体には編集を加えずに気になる箇所があれば随時コメントを入れてもらうことができるのも便利な点です。

また、PDF化することもできるため、メール添付してクライアントに渡すこともできます。

figmahttps://www.figma.com/ja/

Miro

https://miro.com/ja/

Miroとは、オンラインホワイトボードサービスであり、全世界で3,500万人も超えるユーザーが利用しています。オンライン会議などでリアルタイムでホワイトボードのように活用することはもちろん、様々なテンプレートが用意されていることから、プロジェクト体制図作成にもおすすめとなっています。

DropboxをはじめBox、Google Suite、JIRA、Slack、Sketchなどといったツールと連携できますが、後述するNotionと連携させることでさらに便利に運用可能です。

mirohttps://miro.com/ja/

Notion

https://www.notion.so/ja-jp

Notionとは、あらゆるワークフローを一元管理することができるクラウドツールのことであり、プロジェクト体制図の管理及び共有などにおすすめです。

前述した通り、Miroで作成したプロジェクト体制図を連携させることによって、リアルタイムの体制と必要なポジションをリアルタイムに可視化することができます。Miro上にある「必要なポジション」からNotionの「Job Description」ページにリンクさせると、メンバーの役割ごとに期待する役割及びMUST要件、WANT要件、NEGATIVE用件などを細かに確認することができ、とても便利です。

つまり、Miroで視覚的にわかりやすいプロジェクト体制図を 作成し、Notionで言語化するというイメージで運用すると良いでしょう。

Notionhttps://www.notion.so/ja-jp

Mermaid

https://mermaid-js.github.io/mermaid/#/

Marmeidとは、プログラミング言語JavaScriptを基盤としたテキスト及びコードを利用してダイアグラムやビジュアライゼーションを作成することができるツールのことです。プログラミング技術がそこまで伴っていない場合でも少ないコードで特定の図形を描画することができるため、非常に便利と言えるでしょう。

前述したNotionでもMermaidが利用できるため、Mermaidでコードによる構造定義でプロジェクト体制図を描画しすることで、微調整の手間が省け、click構文でフロー中のノードにリンクを容易に貼ることができるようになります。

Mermaidhttps://mermaid-js.github.io/mermaid/#/

まとめ

プロジェクト体制図について、本記事では、概要をはじめ、なぜ大切なのかや作成する際のポイントなどを徹底解説いたしました。

システム開発において、きちんと作成されたプロジェクト体制図は、プロジェクト成功のために欠かすことができない存在です。誰がみてもわかりやすいように、指揮系統を1つにし、常に最新の情報を保持しながらプロジェクト体制図を活用してシステム開発を進めていきましょう。

【GitHub(ギットハブ)の使い方 完全ガイド】専門用語の意味は?使用の手順は?料金形態は?githubの基本を徹底解説!

「GitHub(ギットハブ)って何?」

「どうやって使えばいいの?」

「利用にお金はかかるの?」

今や世界中で活用されているGitHub(ギットハブ)ですが、まだ活用した事の無いエンジニアの方、インストールはしたけど実際どのように使えばいいか理解できていないという方は多くいるでしょう。本記事では、そんな方々のために、githubの基本情報、使用する専門用語の解説、使い方の手順などを詳しくご紹介しています。

本記事の内容を正しくしっかりと理解することが出来れば、今後の開発における作業を大きく効率化させることが可能となるでしょう。個人での使用、チームを組み大人数での使用など、状況に合わせて最適な活用が可能なgithubについて、理解を深めつつスキルを高めていきましょう。

GitHub(ギットハブ)とは?

開発に携わる方にとってなくてはならないのがこの「GitHub(ギットハブ)」です。しかし、プログラミングが初めてという方にとっては、あまり馴染みがなく何のことだか良く分からないなんて悩んでしまう事もあるでしょう。

このgithubは、開発環境を支援するためのWebサービスを指し、簡単に言うとコード管理するためのツールの事です。ソースコード更新を行ったバージョン管理、閲覧、SNS機能、バグの追跡機能などが備わっています。githubを使用してソースコードの管理をしているという企業も少なくありません。

後程詳しくご紹介致しますが、githubには無料版と有料版の2つのパターンがあります。これまでは無料版の場合、機能の制限などがありましたが、2020年は無料であっても主要機能が使用できるようになったことで、今まで以上に費用対効果が高くさらに使いやすいサービスへと進化していきました。

gitとGitHub(ギットハブ)

まず、GitHub(ギットハブ)を正しく把握するためにはgitについての知識を得ることが重要です。

gitはコマンドラインツールの1つであり、ソースコードのバージョンについて、いつ、だれが、どこで編集したのか?最新バージョンはどれか?といったような管理を行うツールとして作られました。gitの大きな特徴は「分散型」であるという点です。

ソースコード管理は他にも様々なツールがあり、メジャーなところで言えば「Subversion」が代表として挙げられるでしょう。しかし、gitは前述したように記録や追跡などの管理を分散型で行うため、修正履歴を整理しながらログを残すことが出来たり、ロールバックを簡単に行えるようになるなど、エンジニアには欠かせないツールとなっています。

githubとは、このgitのリポジトリをまとめたサービスであり、冒頭で紹介したように開発環境を支援するために、gitをより便利に使いやすくするために作られました。法人・個人問わずに誰でも利用することが出来るというのも大きな特徴の一つと言えます。

複数人での開発に威力を発揮!

開発を行う場合、複数人で作業を進めていくと様々な変更がその都度加えられていきます。GitHub(ギットハブ)を活用する事で、「誰が」「いつ」「なぜ」その修正を行ったのかという事が同時に記録されますので、機能追加やバグ修正、フィードバッグなども、簡単かつスピーディに行えるようになります。

さらに、チーム全員でプロジェクト進捗状況などが把握できるようになるため、開発作業における効率も格段にアップします。また、仮に自分自身が上書きを行う場合にも、変更点が重複しているというような場合は知らせてくれるため、知らない間に上書きしてしまうといったミスも防ぐことが出来ます。

使用する前に知るべき6つの事前知識を解説

GitHub(ギットハブ)を使用する場合、まずは専門用語についての情報をしっかりと理解しておく必要があります。使い始める前にここで紹介する言葉を正しく把握しておくことで、よりスムーズに、正しく活用できるようになります。

ローカルリポジトリとリモートリポジトリ

まず「リポジトリ」という言葉について解説いたします。リポジトリとは、GitHub(ギットハブ)でファイルやディレクトリを保存するスペースです。ローカルリポジトリとはローカル環境にあるディレクトリのリポジトリという事になります。ローカル環境とは、簡単に言えば使用しているパソコンの事を指します。つまり、使用しているパソコン内で管理するリポジトリがローカルリポジトリになります。ローカルリポジトリは、新しく作成を行ったり、複製しバグ修正や機能追加の実施が行えます。

リモートリポジトリとは、ローカルリポジトリとは異なり、インターネット上にあるリポジトリの事です。ネット上にファイルをアップロードし管理を行います。複数人で開発を行うという場合には、ローカルリポジトリで作業を行い、その作業内容をリモートリポジトリへプッシュするといった流れが基本となります。

コミットとプッシュ(commit / push)

GitHub(ギットハブ)で、最低限このコミットとプッシュは必ず覚えておきましょう。コミットとは、ファイル追加、変更などをリポジトリに保存する事になります。ゲームで言うところのセーブポイントと覚えておいて下さい。コミットは任意の状態で保存が出来、何個でも持つことが可能です。

プッシュとは、簡単に言えばアップロードです。ファイル追加や変更履歴などをリモートリポジトリと同期させ、自身のコミットを反映させます。チームを組んで複数人で開発を行っている際には、自分以外の誰かがプッシュして、プログラムに変更が加えられているという事もあります。

ブランチ(branch)

変更履歴の分岐を記録するものです。開発作業は、現在のバージョンのメンテを行いながらバグ修正や機能の追加を行う事があります。複数バージョンの管理を行うために必要なのがこのブランチです。履歴の流れを分岐させて記録しますので、オリジナルから分岐させたブランチは他のブランチの影響を受けることはありません。

開発メンバーが同時に行えるというのが大きな特徴です。先ほどもお話ししたようにそれぞれが独立しているため他ブランチの影響を受けることがありませんので、同じリポジトリ内であってもそれぞれの作業を問題なく進めていく事が可能となります。大本のデータがあれば、ブランチを合流させることでファイルを最初から作り直すことなく様々な修正を加えることが出来るようになります。

クローン(clone)

リモートリポジトリをコピーしてローカルを作成することを言います。このクローンを行う事により、githubにあるすべてのデータを完全にコピーする事が可能となります。クローンを行ったタイミングでの全く同じ環境のものをローカルに作成することが出来るので、他の人の影響を一切受けずに自身のパソコンで作業を行う事が可能となります。

プルリクエスト(Pull request)

ローカルリポジトリで自身が行った変更をオリジナルに反映させるための通知方法です。プルリクエストを行う事で、オリジナルの更新を依頼することが出来ます。github上で行う事が可能なため、スムーズに更新を行えるのも特徴的です。コードのプレビューをすることによって、一人では見逃してしまうようなバグやコード記述ミスなどを発見することが出来るため、質を向上させることが出来ます。

フォーク(fork)

フォークとは、自身のアカウント領域に既存リポジトリの複製を作成する機能の事を指します。その名の通り、食事のときに使用するフォークを思い浮かべて下さい。フォークの先端のように、複数に分けられている他の人のプロジェクトリポジトリをコピーし、自身のものへと改変していきます。フォークは、オリジナルへのアクセス権がないという場合であっても自身の場所に入れることにより編集することが出来るようになります。

GitHub(ギットハブ)の使い方

専門的な用語の知識を一通り覚えたところで、次に重要なのが当然GitHub(ギットハブ)の使い方になります。どのように始めればいいのか。どんな操作が必要なのか、その方法と手順を1つずつここで詳しくご紹介致します。まずその手順ですが、流れは以下のようになります。

  1. gitのインストール
  2. gitの初期設定
  3. githubのアカウントを作成する
  4. リモートリポジトリを作成する
  5. ローカルリポジトリを作成する
  6. ファイルを作成する
  7. ローカルリポジトリにコミットする
  8. リモートリポジトリにプッシュする

このように、手順の中でも先ほどご説明したようなコミットやプッシュと言った単語が出てきます。そのため、繰り返しになりますが、まずは専門用語の意味についてしっかりと理解をしたうえで始めるようにしましょう。曖昧なままでは、使い始めても適切な活用が出来ず、開発を効率よく進めていくことが出来ません。

まずはこうした専門用語をしっかりと把握し、スムーズな活用が出来るよう徹底した準備が必要です。そうすることにより、よりgithubの理解度が上がり、開発を効率よく進めていくことが出来るでしょう。それでは、手順の内容について1つずつ解説していきます。

1.gitのインストール

まずはgitをインストールします。まずここで注意すべきは、gitとgithubは同じものではないという点です。先にもご説明した通り、gitはコマンドラインツールとなり、githubはgitを用いた共有のウェブサービスです。簡単に言えば、gitはシステムとなり、そのgitを使用したサービスがgithubです。この違いはしっかりと頭に入れておき、「2つは別物である」という事を理解しておきましょう。

gitをインストールする場合、Macであれば標準装備されていますので、インストールの必要はありません。仮に、インストールされていない場合や最新バージョンにアップデートしたいという場合は「Download for macOS」からインストールを行ってください。Windowsの場合、Macと違い標準装備されていないので、「Git for Windows」からダウンロードしてインストールする必要があります。

2.gitの初期設定

インストールが完了したら次に初期設定を行います。自身のユーザー名、メールアドレスの登録を行ってください。この初期設定はインストールを行った後に一度だけ行えばOKです。何度もやる必要はありません。初期設定で登録した内容は、リポジトリに対してコミットを行った人物の情報として、履歴に表示されるようになります。パスワード設定は7文字以上で設定を行ってください。

3.GitHub(ギットハブ)アカウントの作成

初期設定が全て完了したら、githubのアカウントを作成します。公式サイトからアカウントの作成が出来るので、メールアドレス、パスワード、ユーザー名を登録してください。アカウント登録はこの3項目を設定すれば完了です。ここでプランを選択します。有料・無料がありますが、後々変更することも出来ますので、まずは無料で行うことをおすすめします。その後登録したメールアドレス宛に認証メールが届きますので、指示に従いながらユーザー認証を行えば登録完了になります。

4.リモートリポジトリを作成する

次に、リモートリポジトリを作成していきます。トップ画面から「Create Repository」をクリックし、作成画面に移動してください。作成したいリポジトリ名を入力し、種類を選びます。ソースコードの公開を行う場合は「Public」、ソースコードの後悔はしたくないという場合には「Private」を選んでください。

また、予めREADMEファイルの作成を行っておくという場合には、「Initialize this repository with a README」の項目にチェックをしておくのを忘れないようにして下さい。最後に「Create repository」のクリックで作成は完了です。リモートリポジトリのアドレスが次の画面で表示されるため保存しておくことを忘れないようにしましょう。

5.ローカルリポジトリを作成すする

Windowsの場合は「PowerShell」、Macの場合は「ターミナル」で操作を行っていくといいでしょう。ディレクトリの作成を行ったら、「git init」のコマンドでローカルリポジトリの作成をします。

6.ファイルを作成する

ファイルの新規作成をして、ローカルリポジトリに作成を行います。任意ファイルをディレクトリの「test」に作成をします。

7.ローカルリポジトリにコミットする

先ほど説明した通り、コミットとはセーブポイントのようなものになります。作成したファイルをコミットしていきます。ファイルの作成を行ったら、「git add」でファイルをインデックスにコミットしましょう。この作業を行う事で、「git」で管理を行うファイルの対象となります。ここまで行えばリポジトリの登録は完了となります。

8.リモートリポジトリにプッシュする

送信を行う前に、「git remote」でリモートリポジトリへファイルの追加をしておきます。URLはgithubで作成したURLを使用してください。次に「git push」コマンドでリモートリポジトリへ送信を行います。コードネーム、パスワードを聞かれたら最初に登録した内容で入力を行ってください。これでプッシュし反映させることが出来ます。

GitHub(ギットハブ)は「SNS機能」や「先進的機能」が優れている

GitHub(ギットハブ)は様々な機能が備えられていますが、特徴的なのがSNS機能や先進的機能が優れているという点です。githubが多くの方に活用され人気が高い秘訣はこの優れた機能が大きな要因と言えます。SNS機能が充実しているため、変更履歴やソースコードまで、情報を一元化する事によって、これまで以上によりスムーズで円滑なユーザー同士のコミュニケーションを取ることが可能となります。

さらに、githubは下記のような機能を持ち合わせています。

Codespacesマイクロソフト社のフリーソースコード編集ソフトをオンラインで利用できる。(Visual Studio Code)
GitHub Actionsソフトウェアの開発から公開までの一連の流れをサポートしてくれる機能
GitHub Projectsプロジェクトのイシュー、タスクなど一覧管理できる公式機能

これらは一例になりますが、他にも様々な機能が充実しているのがgithubです。開発機能の使いやすさに加え、このような多くの機能が充実している先進的サービスに、多くのエンジニアが魅力を感じ開発に取り入れています。

GitHub(ギットハブ)の料金プラン

GitHub(ギットハブ)は先ほどもご紹介したように、無料プランと有料プランの2パターンがあります。基本的に無料で使用することが出来ますが、当然有料プランとのサービスに差が生じてしまいます。無料プランでも十分な機能が備わっていますが、2つの違いについて詳しく見ていきましょう。

無料プランでの制限とは?

まず無料プランでは、共同編集者の数が3名までという制限があります。また、github Pages、wiki、Protected branches、オーナー権限変更が出来ないという点があります。個人での利用では特に不便な部分はありませんが、チームで開発を行うという場合は難しい部分が出てきてしまうかもしれません。

また、本記事の冒頭でもお話ししたように、以前はプライベートリポジトリが作れませんでしたが、今では非公開のリポジトリも作成する事が可能となりました。そのため、今までは保存したリポジトリが全て公開されていた状態でした。

自身で手掛けたコードを公開する代わりに無料で使用できたという事です。ですが、今では無料版でも非公開での作成が出来るようになったため、個人に利用者や小規模開発の企業などで幅広く無料プランが使用されるようになりました。

有料プランの種類

GitHub(ギットハブ)の有料プランは複数の料金形態があります。それが「個人プラン」と「企業・官公庁・教育向けプラン」の2種類になります。

個人プラン無料プラン:proプラン・7ドル/月
企業・官公庁・教育向けプラン25ドル/月

個人向けの場合、先ほどご紹介した無料プランと、有料月額7ドルのProプランがあります。無料プランの機能に加え、Actions3,000分、プライベートブランチ保護などの様々な機能などが用意されています。

企業・官公庁・教育向けのプランは複数人のチーム利用が想定されたプランの用意もあります。チーム作業で便利な機能が充実しており、快適な開発環境を作ることが出来るでしょう。また、このプランよりもさらに上位のEnterpriseプランがありますが、こちらの月額に関しては問い合わせを行う必要があります。

GitHub(ギットハブ)にまつわるニュース

GitHub(ギットハブ)は世界中で注目されているサービスにです。そのため、githubに関するニュースが各国で報じられています。その中には、素晴らしいものもあればトラブルになってしまったというものもあります。ここで、そんなgithubにまつわる日本国内のニュースをご紹介致します。

LINE Payの情報が流出

2021年12月、LINE Payはgithub上に13万人以上もの一部決済情報が公開状態になっていたと発表を行いました。即座に情報は削除し、公開ユーザーには個別での案内を行いました。特に大きな被害や影響などは確認されてはいません。閲覧が可能となっていた情報は「ユーザー識別をするための識別子」「加盟店管理番号」「キャンペーン情報」の3点になります。名前や電話番号、住所、クレジット番号などの情報が公開されていたという事はありませんでした。

この3つの情報が閲覧可能状態だった期間は、2021年9月12日から2021年11月24日までで、外部アクセスがその期間で11件確認されています。9月12日、業務の委託先従業員がポイントの付与漏れを調査をするために使用したプログラムと対象の決済情報を無断でgithubにアップロードしたというのが原因とされています。その後、11月24日にモニタリング業務で該当情報が検出され同日中に削除が完了しました。30日にはアクセス状況の調査も完了したという事です。

経産省がGitHub(ギットハブ)を利用し民間からの意見を募集

経済産業省と特許庁は、2021年9月にAIの技術や新素材などに関連する契約書の見本の改訂版を作成するにあたり、githubを利用し民間からの意見を募集しました。経産省は、モデル契約書ユーザーかどうかは問わず、改善に向けたフィードバックを広く募集するため、不特定多数が編集する事が可能となるgithubを選択したと言います。モデル契約書について、githubで意見を募集したのは今回2回目になり、1回目は60件程度の意見のみしか集まりませんでした。

1回目はMarkdown形式で編集できるモデル契約書を公開し、データに対して修正案を直接提案することが出来るPull Request機能で行いましたが、2回目はIssueを活用し、より多くの方々と議論を行うために変更したという経緯があります。今のところ3回目以降の実施はないとの事ですが、他分野でgithubを利用して意見の募集を行う可能性はあると話しています。

まとめ

開発環境の改善、スムーズな開発作業などに必須ともいえるgithub。最初は専門用語が多くあるため、初心者や初めて利用するという場合は戸惑う事もあるかもしれませんが、慣れてくれば非常に活用しやすいサービスと言えます。個人はもちろん、チームを組んでの開発など様々な状況に対応させることが出来ます。

githubの利用はエンジニアには欠かせないスキルの1つと捉えてもいいでしょう。場合によっては、転職などにも有利になることもあります。まずは実際に試してみることをおすすめします。このようなサービスの場合、文章での説明を見るよりも、実際に自分で使用した方が流れや特徴を掴みやすくなります。本記事を参考にしつつ、ぜひインストールして活用してみましょう。