新しいSNSアプリを開発したいと考えたとき、どのようなアプリを開発したら良いのか、そもそもSNSアプリとはなんなのかなど、悩んでしまうことも少なくありません。そこで本記事では、SNSアプリの概要を始め、SNSアプリを開発するメリットやデメリット、開発方法にいたるまで徹底解説いたします。
SNSアプリとは
そもそもSNSとは、英語表記でSocial Networking Serviceの頭文字を取ったものであり、会員制交流サイトのことを意味します。つまりSNSアプリとは会員制交流サイトの機能を有したアプリのことです。
SNSの種類
一口にSNSと言っても実は細分化すると次の3つに分類することができます。
- オープンSNS
- クローズドSNS
- 特化型SNS
オープンSNS
オープンSNSとは、不特定多数のユーザーと繋がることができるSNSのことです。具体的には、各ユーザーが投稿及び共有した内容が制限なくWeb上に公開されるということになります。既存のアプリの例としては、TwitterやInstagram、Facebookなどが挙げられます。
クローズドSNS
クローズドSNSは、前述したオープンSNSと対になるものであり、各ユーザーが投稿及び共有した内容は限られたユーザーの中でしか公開されないSNSのことです。既存のアプリの例としては、家族だけで共有できるwellnoteをはじめ、カップルだけで共有できるPairyなどが挙げられるでしょう。
特化型SNS
特化型SNSとはその名の通り、ある特定の分野に特化したSNSのことです。既存のアプリの例としては、ビジネスに特化したLinkedinや、スポーツ自転車に特化したStrava、登山に特化したヤマレコやYAMAPなどが挙げられます。
SNSアプリに必要とされる機能
SNSアプリを開発しようと考えている方のために、SNSアプリに基本的に必要とされる機能について改めて押さえておきます。
- ユーザー情報管理
- ログイン
- チャット及びメッセージ
- フォロー
- リアクション
- 検索
- アンケート
- ブログ
- タイムライン
- 通知
- 画像及び動画シェア
- コミュニティ
- 決済
ユーザー情報管理
ユーザー情報管理とは、プロフィール登録機能をはじめ編集機能、他のSNSで利用しているアカウントを連携するなどの機能のことです。SNSアプリとしてはなくてはならないものとなります。
ログイン
SNSアプリを利用する際に必ず必要となるのがログイン機能であり、ユーザー情報を適切に管理する上で最も重要なものとなります。個人情報が漏洩しないよう強固なセキュリティ対策を施した上で実装しましょう。
チャット及びメッセージ
SNSアプリではもはや当たり前となっている、ユーザー同士でのチャットあるいはメッセージのやりとりの機能も、会員制コミュニティとして必要不可欠なものとなります。ただアプリ内でチャット及びメッセージがやりとりできれば良いということではなく、画像や動画、あるいは位置情報やWebサイトのURLなどを添付できなければ今の時代には合っていると言えないでしょう。
また、特にオープンSNSを開発する際には、だれでも閲覧可能なチャット及びメッセージ機能はもちろんのこと、特定のユーザー同士しか閲覧できないダイレクトメッセージ機能があるとより便利です。
フォロー
TwitterやInstagramでは当たり前のフォロー機能も大切です。特にオープンSNSの場合、不特定多数の投稿を誰でも閲覧できる点にメリットがある一方で、特定ユーザーの投稿のみをピックアップしたいというニーズが必ず存在します。
さらに近年では当たり前となったインフルエンサーマーケティングにおいては、フォロワー数がとても重要な指標となるため、SNSアプリを発展及び盛り上げていくためにも特にオープンSNSでは搭載しておくべきでしょう。
リアクション
TwitterやInstagramでは、フォローの有無に関わらず気に入った投稿に「いいね」とリアクションすることができます。チャット及びメッセージのやりとりを積極的に行いたいと考えるヘビーユーザーが存在する一方で、「いいね」などの手軽なリアクションのみできればいいと考えるライトユーザーのためにもなにかしらのリアクション機能を搭載しておくとよいでしょう。
検索
SNSアプリに求められる検索機能は、それぞれのSNSアプリによって異なりますが、例えば特定のハッシュタグなどで投稿を検索したり、キーワードでユーザーを検索したり、メッセージを検索したりと、ニーズにあったものを搭載することにより、より便利かつ汎用性の高いSNSアプリになることでしょう。
アンケート
SNSアプリにアンケート機能を搭載しておくことで、各ユーザー同士の交流を活発化させたり、企業アカウントがリアルな消費者の意見を取り入れ商品開発に生かすことができたりします。Twitterのように文字だけでのアンケートでも良いですが、Instagramのようにストーリーズで視覚的に訴えることができるようなものだとよりライトなアンケートを実現することができるでしょう。
ブログ
開発するSNSアプリの特性によって搭載すべきかどうかの判断が分かれますが、各ユーザーが日記を作成することで、他のユーザーが閲覧し、コメント及びリアクションができるというブログ機能を搭載しているSNSアプリも多数存在します。
タイムライン
もはやSNSアプリには当たり前となったタイムライン機能も重要な機能です。フォローしているユーザーが投稿及び共有した更新情報を時系列で表示することができるため、フォローしているユーザーのページを訪れることなく、最新情報を閲覧できるため、実はとても便利な機能と言えるでしょう。
通知
通知機能は、SNSアプリにおいては、運営側からユーザーに有益な情報のプッシュ通知などを行うというよりは、フォローしているユーザーが更新した際に通知を行うことで、SNSアプリへのログインを促すものとなります。ユーザーも自分が気に入っているユーザーの投稿は気になっているはずなので、一般的なアプリのプッシュ通知とは異なり、比較的受け入れられやすいと言えます。
画像及び動画シェア
もはや文字のやり取りだけでなく画像や動画をシェア、または加工した上でシェアすることが当たり前の時代となっているため、SNSアプリ開発の際には搭載するべき機能の1つとして挙げられます。
コミュニティ
SNSアプリ自体が既にコミュニティとは言えますが、さらにユーザーの属性や目的などによってはチームやサークルといった小さい単位でのコミュニティ機能を搭載することで、さらに新たな可能性を生み出すことができます。
決済
SNSアプリの利用自体が無料であっても、例えばアプリ内で商品やサービスなどの売買ができたり、プレゼントキャンペーンなどで報酬を受け取ったりということができる場合には、決済機能を搭載しておくと便利です。
SNSアプリ開発のメリット
既に世の中には様々なSNSアプリが溢れていますが、それでも新しいSNSアプリを開発するメリットとしては、次の3つが挙げられるでしょう。
- 独自の特徴を表現することが可能
- マーケティング施策として利用可能
- コミュニティを構築可能
独自の特徴を表現することが可能
今更新しいSNSアプリを開発する意味があるのか悩む方もいらっしゃるかと思います。確かにTwitterやInstagram、Facebookなどといった有名かつ人気のSNSアプリが多数存在しているのは事実ではありますが、それぞれ様々な特徴を持つのはもちろん、制限が設けられていることを忘れてはいけません。これらの制限により少し不便と感じているユーザーも少なからず存在しているという前提で、ユーザーが本当に求めている機能を搭載した独自のSNSアプリを開発することができれば、多くのユーザーを取り込むことができ、SNSアプリを開発して良かったと実感するでしょう。
マーケティング施策として利用可能
Twitter及びInstagramにおいて、多数の企業アカウントも存在しますが、従来はあくまでユーザー同士のコミュニケーションに特化したものであることから、自社コンテンツに誘導するには、結果的に外部リンクに誘導する必要があるというデメリットがあります。このデメリットを解消できるような独自のSNSアプリを開発することができれば、企業アカウントがマーケティング施策として第一の候補に挙げてくれることでしょう。
コミュニティを構築可能
特に全く新しいクローズドSNSや特化型SNSを開発することができれば、既存のSNSアプリにはない、新しいコミュニティが必ず生み出されることが期待されます。
SNSアプリ開発のデメリット
SNSアプリ開発を行う際には、下記のようなデメリットも存在するため頭に入れておきましょう。
コストがかかる
SNSアプリを開発する際には、個人及び自社で開発するのか、それともベンダーに外注するのかと言った方法がありますが、特にベンダーに外注するという場合には、開発するSNSアプリの内容や搭載機能によっておよそ50〜1,000万円程度かかると言われています。さらに、画像及び動画シェアを行うことができるようなSNSアプリであればサーバーストレージ容量が大きくなければならず、さらに環境構築にもコストがかかってくることから、運用コストが高くなることを覚えておきましょう。
SNSアプリ開発の方法
SNSアプリを開発する方法としては、大きく次の3つの方法が考えられます。
- プログラミング技術を用いて個人及び自社開発
- ノーコードで個人及び自社開発
- ベンダーに外注
プログラミング技術を用いて個人及び自社開発
プログラミング技術を持っているのであれば、個人及び自社で独自にSNSアプリを開発することができます。ベンダーに外注するよりも遥かに低コストで開発を進めることができるだけでなく、スケジュール調整が楽だったり、カスタマイズも容易だったりと様々な恩恵を受けることができるでしょう。
ただし、SNSアプリを開発する前段階でプログラミングの知識がないという場合には、1からプログラミング言語やフレームワークなどを習得しなければならないため、非常に多くの時間を要します。また、よほど高いプログラミング技術を有していなければ、一般にリリースできるような高い品質のSNSアプリを開発することは難しいでしょう。
ノーコードで個人及び自社開発
実はSNSアプリを開発するには、必ずしもプログラミング技術を有していなければならないということはありません。もちろんあまりに高性能なSNSアプリを開発するのには適していませんが、自社内で利用する簡単なクローズドSNSなどであればノーコードで開発可能なツールを用いて個人及び自社のみでSNSアプリを開発することができるでしょう。
近年では様々なノーコード開発用のツールが登場しており、ツールによってはドラッグ&ドロップのマウス操作のみでアプリ開発を進めることができるものも存在します。プログラミング技術を有している人材が身近に存在しない場合、まずはノーコード開発ツールを活用してみると良いかもしれません。
ベンダーに外注
予算やスケジュールに余裕があるのであれば、ベンダーに外注するというのも1つの手段です。ただし、いきなり1社に絞り込んで依頼するのではなく、事前に3〜5社程度相見積もりを行いながら、担当者とやりとりして信頼できるベンダーに外注するようにしましょう。
まとめ
SNSアプリ開発について、本記事では、SNSアプリの概要や、SNSアプリを開発するメリットやデメリット、開発方法にいたるまで徹底解説いたしました。全く新しい独自性を持ったSNSアプリを開発することができれば、オープンSNS、クローズドSNS、特化型SNSのいずれであったとしても、ユーザーのニーズを満たし、新たなコミュニティを構築することが可能です。
コスト面や品質、スケジュールなどを鑑みて、個人及び自社で開発するのかそれともベンダーに外注するのが良いのかを見極めた上で、SNSアプリ開発を進めていきましょう。