【DX(デジタルトランスフォーメーション)成功事例11選!】あの有名企業が成功させたポイントもご紹介!!

近年は、コロナ禍や企業の人手不足の影響で、世界中の企業がDXを推進させる取り組みを行っています。日本はデジタル競争の後進国といわれており、経済産業省からもDXレポートとして、企業へのDX推進に対する重要性が警鐘されました。

これからの日本企業はDX推進をはじめとして、様々なデジタル化の課題に取り組まなければなりません。ただ、「どのようにDX推進していけばよいのかわからない」といった方も多いのではないでしょうか?

この記事では、実際のDX推進の成功事例を11選として紹介していきます。今回ご紹介する事例を、自社の参考にしてみてはいかがでしょう。

DXの推進とは?

DXとは、スウェーデンのウメオ大学、エリック・ストルターマン教授が2004年に発表した論文のなかで提唱された概念です。DXは「デジタル技術の浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させること」を意味します。

しかしこの概念は、ビジネスの利用には向いていないため、参考とされているのが経済産業省が「DX推進ガイドライン」で取り扱ったDXの定義です。

この中で、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」という概念が発表されました。

ビジネスにおいては、テクノロジーによる単なるデジタル化をDXと呼びません。デジタル化を通して、業務や組織を変革し、競争優位性を確立してこそDXと呼べるのです。このDX実現に向かって施策を動かしていくことをDX推進と言います。

DXの事例を知ることが大切

DXを実現するためには、理解すべきポイントや課題、実施すべき施策があります。しかしこれらを学ぶだけでは「自社では実際にどんなDXができるのか」というイメージに欠けます。そこで重要になってくるのがこれまでの成功事例です。

他社の具体的な成功事例を知ることで、DXのイメージが湧きやすくなり、DXとは何かを理解しやすくなります。また具体例を語れることで、相手の興味をひく効果も期待できます。

DX推進事例11選

ここでは、参考にしやすい日本国内におけるDXの事例について紹介していきます。自社で真似できるものもあると思いますので、是非参考にしましょう。

【SREホールディングス】DXグランプリ獲得

SREホールディングスはその優れたDX推進活動から、2021年のDXグランプリに選出されました。

具体的な取り組みとしては、不動産事業のスマート化です。蓄積した過去の他利用の取引データをもとに、制度の高い不動産取引価格を自動で査定するツール。また売買契約書や重要事項説明書の作成を効率化するクラウドツールなどを開発し、積極的に試験導入しました。

明確なDXのビジョンや先進的な組織体制と相まって、こうした取り組みはこれまでの不動産にはなかった破壊的なビジネスモデルとして高く評価され、DXグランプリに選出されました。

【日本郵便】ドローンでの荷物輸送

物流業界大手の日本郵便では、人手不足や社員への負担増加が課題になっていました。とくに山間部といった地域における配達の負担は大きく、これを解決する手段が必要でした。そこで実験的に開始したのが、ドローンの活用です。同社は奥多摩の低地にある郵便局から山間部の個人宅への配達において、ドローンによる配達実験を実施しました。

検証の結果、これまでの配送では20分近くかかっていたところ、ドローンの活用により10分程度で配達が完了することを確認しました。同社は今後同様のドローン活用を実施し、人材不足の時代のなかで、業務効率化につなげていきたいとしています。

【NEC】待ち時間予測システムの提供

NECは、羽田空港国際線旅客ターミナルに保安検査場を分析・可視化する「待ち時間予測システム」を提供しました。監視カメラなどの映像から、混雑状況を検知する「群衆行動解析技術」や人の動きを捉える3Dステレオ視覚センサーを活用してます。

このシステムを導入したことで、旅客の利便性向上だけでなく、結果として2ヶ所ある検査場の利用率の平準化や、航空機運行の定時性向上にも繋がりました。将来的には、同システムにおける人工知能の予測精度を向上させ、数時間後の待ち時間といった情報提供を目指しています。

【メルカリ】個人間での売買システム

メルカリは個人間での売買システムを可能としたサービスです。個人で不要になったものを販売し、必要とする人が商品を購入する仕組みは、オンライン上にフリーマーケットを構築しました。また、2019年からはメルペイというスマホ決済サービスも開始させるなど、サービスの枠を拡大しています。

従来のネットオークションでは、PCから取引をすることが一般的でしたが、スマホで完結する売買システムが導入されたことで個人間の取引のハードルが低くなりました。また、インターネット上だけでの取引で完結する上に「場所にとらわれず利用できる」「支払いや発送、受け取り」など、利便性が高いことも普及した要因に挙げられます。

【ソフトバンク】コールセンターの業務効率化

ソフトバンクは、コールセンターの携帯を落としたときに届く「落とし物通知依頼書」の処理をDXすることで、業務効率化を実現しました。書類の大量読み取りや確認業務の簡易化、文字認識精度の高さなどが重宝され、今では転記業務に欠かせないシステムになりました。

以前は、1日200件ほど届く依頼書を10人体制で当日中に入力完了させることを目標にしていましたが、DX推進後は1人で作業を完結させることを実現し、人員削減にもなりました。

また、人が作業しなくなったことでミスの減少、身体的疲労や精神的疲労の軽減による他業務への注力など、導入した効果は様々な箇所で見られます。

【三井住友銀行】顧客の声を自動分析

三井住友銀行は、NECが提供したビッグデータ分析技術を活用して「お客様の声」を自動分析できるシステムを導入しました。また、グループ化された内容の集計や時系列変化の把握も可能になりました。

従来は、人が行っていた内容の要約や、見出し作成などの分類を自動で行うことが可能になったことで、顧客対応の迅速化やお客様の声の変化を反映した新サービスの創出など、様々な用途で成果が確認されています。

【JTB】外国人向けのアプリ開発

JTBは、ナビタイムジャパンと日本マイクロソフトとの協同制作で外国人向けアプリ「JAPAN Trip Navigator」を開発、2018年2月から提供を開始しました。

JAPAN Trip Navigatorは、100通り以上のモデルプランからスポット数、所要時間、観光スポットの効率的な巡り方といった情報を提供してくれるサービスです。

アプリから得られる外国旅行者の行動データや、好みを分析することで、インバウンド戦略に取り組む企業をサポートに注力できるようになりました。また、画像認識機能では、SNS上にアップロードされた画像の情報を取り込むことも可能になっており、ユーザーの旅行に欠かせないアプリとして重宝されています。

【ファミリーマート】無人決済システムの実用化

大手コンビニエンスストアとして知られるファミリーマートでは、店舗の運営コストやオペレーションの負荷、コロナ禍を背景にした非対面決済の推進が課題となっていました。

そこで取り組んだのが、無人決済システムの導入です。これは設置されたカメラなどの情報から、店舗利用者が手にとった商品をリアルタイムで認識するシステムです。決済エリアに立つと、ディスプレイに購入の内訳と金額が表示され、電子マネーなどでスムーズに決済できる仕組みになっています。

これにより、店舗運営の省人化とコスト削減、非対面決済を実現しました。また店舗利用者にとっても短時間で買い物を済ませられる利便性の向上を実現しました。

【RIZAP】データ分析による最短での上達

「結果にコミットする」で一躍有名になったRIZAPは、ゴルフのトレーニングにテクノロジーを導入した事業を展開しました。具体的には、ゴルフクラブに指して使う軽量の小型センサーで、顧客のスイングの加速度、角速度といったデータを収集しています。

顧客の目標に応じて、改善部分を可視化できるため、最善のレッスンプランを提供できるようになりました。また、スイングデータやスコアなど膨大な情報を、ビッグデータとして蓄積することで、顧客の最短最速での上達にコミットしています。

【鹿児島銀行】キャッシュレス決済の導入

キャッシュレス決済の普及を活用して地域振興を目指す鹿児島銀行は、完全キャッシュレス商業施設「よかど鹿児島」をオープンさせました。キャッシュレス決済が浸透していない地方都市に最新テクノロジーを駆使した商業施設が登場したことで注目を集めています。また、施設のオープンに合わせて独自のキャッシュレス決済アプリ「Payどん」も開発し、着実に地域商流のDXが進められています。

Payどんは、今までキャッシュレス決済を利用したことがない高齢者層の方が、キャッシュレスの利便性を実感するきっかけをつくりました。施設内での「Payどん」利用率は25%を占めており、他社の決済アプリと比べて、導入の敷居を低くできたのが普及の要因として考えられます。

【トライグループ】動画を活用した教育のDX

家庭教師や学習塾事業で知られるトライグループでは、地理的要因や経済的理由によって、子どもの可能性に差が生まれてしまうという社会的な課題の解決のため、業界初の映像学習サービス「Try IT」を誕生させました。

このサービスではインターネットを利用して、4,000本を超える映像授業を無料で提供し、インターネットさえあれば、いつでもどこでも無料で授業を受けられる世界を実現しました。

サービスリリース後、利用者数は100万人を突破し、その利用は家庭だけでなく、中学・高校の活用や、地方自治体と連携した学習支援など、広がりを見せています。

DXを成功させるポイントとは?

それでは、DXを成功させるポイントをご紹介します。そのポイントを踏まえたうえで、DXを成功させてください。

社内の意識改革

新型コロナウイルスの影響もあり、DXの必要性について理解している経営者も多いはずです。まず、DX推進を社内に浸透させるために必要なのは、トップの意思決定と現場の従業員に展開・指示を行う環境づくりです。

現場の状況を把握し、ビジョンを共有することが重要になるため、部門をまたいで組織・チームを編成することが大事になります。組織を一つにまとめたチームを作ることで、規模の大きいプロジェクトでも進捗がスムーズに進んでいきます。

DXは小さく始める

多くの場合、DXを始めようとして最初にぶつかる障害は「社員全体の理解不足」でしょう。新しいことを始めようとすると、「DXってなに?」「DX推進してどうなるの」という否定的な意見を受けます。

周囲の人と熱量に差があることは仕方のないことですが、自分がどれだけ熱量をもっていても、周囲の理解がなければ組織単位での推進は不可能です。

そのため、「なぜDXを推進するのか」「DXを推進するとどうなるのか」などの共通認識を作って、組織全体で一つの目標に向かうことが大切になります。

まずは自分に近い同僚などから小さくDXを進めていき、時間をかけて組織としてDXを進めていくといいでしょう。

円滑な情報共有

DXは組織が一体となって推進していく必要があります。そのためには「必要な情報をすぐに入手できる」ように、環境を整備しましょう。

具体的な整備方法としては、「情報共有ツール」の利用がおすすめです。ツールを使用することで、業務の効率化やコストの削減、知識やノウハウの共有などのメリットが得られるでしょう。

また、ITの知識がなくても、ツールを簡単に使いこなすことができれば、DXの推進に大きく近づきます。

まとめ

この記事では、DX推進の成功事例を紹介してきました。しかし、成功事例の裏側には数多くの失敗事例が潜んでいます。成功事例と同じ施策を自社に導入しても成功する保証はありません。今回紹介した事例を参考に、自社ではどのようなアプローチが可能なのかを検討することをおすすめします。

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